「Webマーケターを目指して勉強しよう」と決めたあと、多くの人が同じ壁にぶつかります。調べるほど、自分がやろうとしていることの名前が分からなくなる。
リスキリング。リカレント教育。学び直し。独学。
どれも似た顔をして出てきますが、書いてある場所によって意味がずれています。会社の人事の話として書かれているものもあれば、大学へ通い直す話として書かれているものもある。そのどれも、自分の状況とは少しずつ違う。
この記事は、その言葉のズレをほどくためのものです。リスキリングという言葉がどこに立っているのか、Webマーケターを目指す学び直しがそのどこに置かれるのか、そして学び直しの範囲がどこまで及ぶのかを、順番に整理します。
こんなふうに調べていませんか
- Webマーケターの勉強を始めたいが、自分がやろうとしていることを何と呼べばいいのか分からない
- 「リスキリング」で調べたら会社の人事制度の話ばかり出てきて、自分には関係なさそうに見えた
- どこまで学べば「学び直した」と言えるのか、終わりが見えない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- リスキリングとリカレント教育の違いを、自分の言葉で説明できるようになります
- 会社が用意してくれない立場での学び直しを、自分で設計できるようになります
- 学び直しの範囲に入るものと入らないものを、着手前に切り分けられるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- リスキリングは「新しい専門性を足すこと」を指します。学び直し全般の言い換えではありません。
- 分かれ目は主語です。会社が旗を振るのか、自分で始めるのかで、決めなければならないことが変わります。
- 範囲には外側があります。社会人としての基礎力と、実務経験そのものは、学び直しでは埋まりません。
この記事では、未経験からWebマーケターを目指している七海さんと、すでに副業で案件を回している明石さん、そして答える側の鈴木さんのやり取りをはさみながら進めます。
01Webマーケターのリスキリングって、そもそも何を指すんですか?
七海さん勉強を始めたばかりなんですが、これって「リスキリング」と呼んでいいものなんでしょうか。
鈴木さん呼んでいいと思います。ただ、この言葉は「勉強」の言い換えではないんですよ。もっと狭くて、もっと具体的です。
リスキリングは、もともと政策の場で使われてきた言葉です。厚生労働省は学び直しの情報をまとめたポータルを公開しています。そこでは、新しい職業に就くため、あるいは今の仕事で必要とされるスキルが変わったことに対応するために、必要なスキルを学び直す取り組みとして扱われています(出典: 厚生労働省)。
ここで大事なのは、「学ぶこと」ではなく「新しい専門性を足すこと」に焦点があるという点です。教養を広げることや、趣味を深めることは、リスキリングとは呼ばれません。仕事として通用させるために、いま持っていないスキルを取りに行く。それがこの言葉の中心にあります。
Webマーケターに置きかえてみます。SEO(検索から人を集めるための工夫)や広告運用といった個別の施策を、興味の向くまま断片的に触っていく形は、リスキリングとは少し違います。職種としてお金をもらえる範囲まで、まとめて持ち上げるのがリスキリングの形です。
もう一つ、見落とされやすい前提があります。リスキリングはゼロからのスタートを想定していないということです。すでに働いた経験がある人が、その上に新しい専門性を重ねる。この前提があるからこそ、「未経験」という言葉が持つ心細さと、実際に持っている土台の量は、かなり食い違います。
この章のまとめ
リスキリングは学びの量の話ではなく、足す方向の話です。方向が決まっていないと、この言葉は使えません。
02リスキリングとリカレント教育は、Webマーケターにとって何が違うんですか?
七海さん調べていると「リカレント教育」という言葉も出てきます。同じものですか。
鈴木さん別物です。しかも違いは中身ではなく、進め方のほうにあります。ここを取り違えると、自分に合わない情報ばかり集めることになります。
リカレント教育は、働くことと学ぶことを交互に繰り返していく考え方を指します。仕事をいったん離れて学校に通い、また働く。この往復そのものが名前になっています。学ぶ内容は仕事に直結するものに限られず、教養や関心のある分野まで広く含まれます。
一方のリスキリングは、働きながら、仕事のために学ぶ形が中心です。学ぶ内容は仕事に必要なスキルへ絞られ、会社が制度として用意する形で語られることが多くなります。
この違いが効いてくるのは、情報を集めるときです。リカレント教育の記事は大学や講座の選び方に寄っていきます。リスキリングの記事は企業の人材育成に寄っていきます。
Webマーケターを目指す個人は、そのどちらの読者としても想定されていないことが多い。だから調べるほど自分の話が出てこないように感じます。
上位に出てくる解説を並べて読むと、この二つの言葉を並べて説明している記事が目立ちます。言い換えると、検索している人の多くは「その言葉が何か」ではなく「似た言葉とどう違うか」を知りたがっているということです。ここを飛ばして先に進むと、あとで自分の状況を説明できなくなります。
| 見るところ | リカレント教育 | リスキリング |
|---|---|---|
| 進め方 | 働くことを離れて学び、また働く | 働きながら学ぶ |
| 学ぶ内容 | 仕事に限らず広い | 仕事で必要なスキルに絞る |
| 主導する人 | 学ぶ本人が決めることが多い | 会社が制度として用意することが多い |
| Webマーケター志望との相性 | 時間をまとめて取れる人には合う | 本業を続けたまま進めたい人に合う |
この章のまとめ
違いは学ぶ中身ではなく、仕事を離れるかどうかと、誰が旗を振るかです。自分がどちらの形で進むのかを先に決めてください。
03会社が旗を振らない副業のリスキリングは、位置づけがどう変わるんですか?
明石さん私は会社に何も言わずに副業で案件を受けています。この場合もリスキリングと呼べるんでしょうか。
鈴木さん呼べます。ただし会社が用意してくれるものが、全部そのまま自分の宿題になります。ここが個人で進める場合のいちばん大きな違いです。
企業が主導するリスキリングでは、会社側があらかじめ決めていることがあります。何を学ぶのか、どこまでできれば合格なのか、学んだあとにどの仕事へ移るのか。この三つが用意された状態で始まります。
個人が自分で始める場合、この三つは誰も決めてくれません。何を学ぶか、どこで区切るか、学んだ結果をどう示すか。すべて自分で決める必要があります。 リスキリングという言葉を個人の学び直しに当てはめるときに、いちばん大きく形が変わるのはここです。
とくに難しいのが二つ目の「どこで区切るか」です。会社の制度なら研修の終わりが区切りになりますが、個人の学び直しには終わりの合図がありません。教材はいくらでも増やせるので、区切りを決めないと、いつまでも準備が終わらない状態になります。
区切りの決め方は、あとの章で扱う「範囲」の話と直結しています。範囲を先に切っておくと、区切りは自動的に決まります。逆に範囲を切らないまま走り出すと、学ぶこと自体が目的になってしまい、いつまでも案件に手が伸びません。
この章のまとめ
会社が旗を振らない場合、範囲・区切り・示し方の三つが自分の宿題になります。この三つを決めることが、個人のリスキリングの設計そのものです。
04Webマーケターのリスキリングの位置づけは、独学や単発セミナーとどう違うんですか?
学び方には、大きく分けて三つの形があります。自分のペースで進める独学、短い時間で一つのテーマを扱う単発の講座、そして職種として通用する範囲をまとめて扱う体系的な学び直しです。
違いは体系性の有無だと説明されることが多いのですが、それだけだと選びにくいと思います。もう一つの見方は「途中でやめたときに何が残るか」です。
独学は、やめた時点までに触れた分野が断片で残ります。関心のある分野を深く掘れる代わりに、掘っていない場所は空白のままです。単発の講座は、扱ったテーマの周辺だけが残ります。全体像の一部を知るきっかけにはなりますが、そこから先は自分でつなげる必要があります。
体系的な学び直しは、あらかじめ順番が組まれているぶん、途中でやめてもどこまで進んだかが分かります。残るのは知識だけでなく「まだ手をつけていない場所の地図」でもあります。 これは次に再開するときの負担を大きく変えます。
| 学び方 | 進み方 | 途中でやめたときに残るもの |
|---|---|---|
| 独学 | 関心のある分野から入る | 触れた分野の断片。空白は空白のまま |
| 単発の講座 | 一つのテーマを短く扱う | そのテーマの周辺だけ |
| 体系的な学び直し | 職種の範囲を順番に扱う | 進んだ場所と、未着手の場所の地図 |
どれが優れているという話ではありません。すでに方向が決まっていて一点を深めたい人には独学が向きますし、方向を決めるために全体を眺めたい人には体系的な形が向きます。 順番としては、方向が決まっていない段階で独学に入ると、選び方の基準がないまま教材だけが増えていきます。
この章のまとめ
選ぶ基準は体系性の有無だけではありません。途中でやめたときに地図が残るかどうかで見ると、自分に合う形が決めやすくなります。
05Webマーケターのリスキリングの位置づけで、範囲の外側はどこですか?
七海さん結局、どこまでやれば「学び直した」ことになるんでしょうか。終わりが見えないんです。
鈴木さん範囲には、はっきりした外側があります。 外側を先に決めると、内側が見えてきますよ。
学び直しの範囲を決めるときは、内側から数えるより外側から削るほうが早く終わります。リスキリングの対象になるのは、あくまで新しい専門性の部分です。それ以外は、たとえ必要なものであっても、この学び直しの範囲には入りません。
範囲の外にあるものを、具体的に挙げます。
一つ目は、社会人としての基礎的な業務遂行力です。期限を守ること、相手に状況を伝えること、予定を組み直すこと。これらはWebマーケティングに限らずどの仕事でも必要なもので、学び直しで新しく身につけるものというより、前職から持ち越すものです。ここを学び直しの範囲に入れてしまうと、範囲が無限に広がります。
二つ目は、実務経験そのものです。学び直しは実務に入るための土台であって、実務経験の代わりにはなりません。 教材の中でどれだけ手を動かしても、相手のある仕事で起きることは別に経験する必要があります。この点はあとの章でもう一度扱います。
三つ目は、業界の人脈です。これは学び直しを進める中で自然に増えることはあっても、学ぶ対象ではありません。人脈が無いことを学び直しの不足として数えると、いつまでも準備が終わりません。
この章のまとめ
範囲の決め方は引き算です。外側を先に削ると、内側は自然に決まります。
06Webマーケターのリスキリングの位置づけで、内側に入るのは何ですか?
外側を削ったあとに残るのが、学び直しで埋める場所です。中身は二つに分かれます。
一つは、Webマーケティングの実務スキルです。職種として求められる範囲を指します。 もう一つは、それを人に説明する言葉です。クライアントや採用担当に「何ができるか」を伝える範囲を指します。
後者は範囲から抜け落ちやすいところです。説明の言葉を持たないと、できることがあっても案件につながりません。 実務スキルだけを積んで、いざ提案の場に立ったときに何も言えない、という詰まり方は珍しくありません。
説明の言葉は、実務スキルとは別に用意するものではありません。学んだことを一つ終えるたびに、 「これは相手のどんな困りごとに効くのか」を一行で書いておく。それが積み重なると説明の言葉になります。
この章のまとめ
内側は二つです。できることと、それを伝える言葉。 後者を後回しにすると、学んだ分が案件に届きません。
07前職の経験は、Webマーケターのリスキリングでどう扱われるんですか?
未経験という言葉には、持っているものまでゼロに見せてしまう副作用があります。リスキリングという言葉が前提にしているのは、すでに働いた経験のある人が、その上に新しい専門性を重ねるという形でした。つまり前職の経験は、削るものではなく土台に置くものです。
どう土台になるのかは、前職によって変わります。
営業の経験がある人は、相手が何に困っているかを聞き出して、提案の形にする流れを体で覚えています。Webマーケティングの実務では、施策そのものより「なぜその施策なのか」を説明する場面が多く、ここがそのまま効きます。
事務の経験がある人は、決まった手順を崩さずに回すことと、数字のずれに気づくことに慣れています。効果測定のように、繰り返し同じ形で記録し続ける作業では、この慣れが差になります。
接客の経験がある人は、目の前の人が言葉にしていない不満に気づく感覚を持っています。サイトを見た人がどこで離れるかを考えるとき、この感覚は数字を読む前の仮説になります。
エンジニアの経験がある人は、仕組みがどう動いているかを想像できます。計測の設定や、サイトの構造に関する話で、最初から話が通じやすくなります。
この章のまとめ
未経験は、ゼロではありません。前職から持ち越すのは手順ではなく、判断のしかたです。
08リスキリングで学ぶ順番は、Webマーケターの案件からどう決まるんですか?
学ぶ範囲が決まっても、順番が決まらないと動けません。ここでよくあるのが、教材の目次順に上から進めてしまうことです。目次は分野の整理として作られていて、取りたい仕事の順番とは一致していません。
順番を決める入口は、教材ではなく案件の側にあります。まず、自分が取りたい案件を一つだけ思い浮かべます。そのうえで、その案件を受けたときに最初に頼まれることを書き出します。
次に、その頼まれごとに必要なものだけを先に学びます。残りは、案件を受けながら足していきます。
この決め方には、範囲を狭く保てるという利点があります。必要になる前に学んだことは、使う頃には忘れています。 順番を案件から逆算すると、学んだことと使う場面の距離が近くなります。
本誌は施策のやり方そのものは扱いません。SEOをどう設定するか、広告をどう配信するかといった手順は、姉妹誌のAIマーケティングジャーナルの領分です。この記事で扱うのは、その手順をどの順番で取りに行くかという決め方のほうです。 実務スキルの全体像は『Webマーケターの実務スキル全体マップ、6領域と案件のつながり』で扱っています。
この章のまとめ
順番は目次からではなく、取りたい案件の側から逆算して決めてください。使う場面が近いほど、学んだことは残ります。
09学び直しを支える制度は、リスキリングを考える副業の人にどう関係するんですか?
学び直しを金銭面で支える枠組みには、雇用保険の教育訓練給付制度をはじめ、いくつかの種類があります。国が用意しているもの、自治体が用意しているもの、民間の事業者が独自に用意しているものが混在しています。
この記事では、支援の金額や割合を書きません。 対象になる講座も、支援を受けられる条件も、制度と実施時期によって変わるためです。記事に書かれた数字を信じて動くと、実際に申請する時点では条件が変わっていることがあります。
代わりに、確認の順番だけを書いておきます。まず自分が対象になるかどうか。次に受けたい講座が対象に入っているかどうか。
そして申請の期限と窓口。この三つは、講座を申し込む前に確認する必要があります。申し込んだあとでは間に合わない手続きがあるためです。
この章のまとめ
制度は数字ではなく順番で覚えてください。 対象・講座・期限の三つを、申し込む前に公式サイトで確認します。
10在籍したまま副業でリスキリングするなら、何を確認するんですか?
会社に在籍したまま学び直す場合、制度とは別に確認するところがあります。就業規則です。
確認する場面は二つに分かれます。学ぶだけの段階と、学んだ内容を仕事にする段階です。
前者、つまり講座を受けること自体が就業規則に触れることは多くありません。業務時間外に何を学ぶかは、原則として本人の自由に属します。ただし会社の費用や設備を使う場合は、社内の申請が必要になることがあります。
後者は話が変わります。学んだ内容で報酬を受け取る段階では、兼業に関する定めが直接関係します。「学び終えてから確認しよう」と後回しにすると、案件を受けられる状態になってから足止めされます。 確認そのものは短時間で終わるので、学び始めと同じタイミングで済ませておくほうが安全です。
副業の可否をどう確認するかという手順そのものは『副業の会社バレを防ぐ前に、就業規則をどう確認するか』で扱っています。
この章のまとめ
就業規則は学び終えてからではなく、学び始めと同時に見てください。確認は短時間で終わります。
11リスキリングを終えたWebマーケターは、次に何が起きるんですか?
明石さん一通り学び終えたら、その先はどうなるんでしょうか。
鈴木さんそこからが本番です。 学び直しは入場券であって、席が用意されているわけではありません。
学び直しが終わっても、そのまま仕事ができるようになるわけではありません。ここは誤解が多いところなので、はっきり書いておきます。学び直しは実務に入るための土台であり、その先に実務経験を積む段階が別にあります。
この段階の違いは、案件の場で現れます。教材の中では、条件がそろった状態で手順を試します。実際の案件では、条件がそろっていないところから始まります。
情報が足りない、期限が短い、相手の希望がはっきりしない。判断が必要になるのは、手順が分かったあとです。
だからこそ、学び直しの終わりを「全部分かった状態」に置かないほうがうまくいきます。必要なのは、案件を受けられる状態まで持ち上げることです。 残りは案件の中で埋まります。
進路そのものの選び方は『Webマーケターの進路、副業・転職・独立の選び方を3軸で決める』で扱っています。学んだあとに副業から入るのか、転職で環境を変えるのかで、次にやることが変わります。
この章のまとめ
学び直しの終わりは「全部分かった状態」ではありません。案件を受けられる状態です。
12Webマーケターのリスキリングで、よくある誤解は何ですか?
一つ目は、リスキリングは未経験者だけのものだという誤解です。実際には、すでに社会人経験がある人が新しい専門性を身につける文脈で使われることが多い言葉でした。社会人経験そのものが無駄になるわけではありません。
二つ目は、リスキリングという名前がつけば内容も特別なものになる、という誤解です。実態としては、体系的に設計された順番で学ぶという学び方の違いであって、扱うスキルの内容自体は独学で学べる範囲と重なる部分が少なくありません。変わるのは中身ではなく、順番と区切りのほうです。
三つ目は、学び直しを終えれば実務経験がなくてもすぐ通用する、という誤解です。前の章で書いたとおり、学び直しは土台であって、案件を通した経験は別に必要になります。
四つ目は、リスキリングは会社が用意してくれるものだ、という誤解です。制度として用意されている職場もありますが、用意されていないことは、始められない理由にはなりません。 用意が無い場合に変わるのは、範囲・区切り・示し方を自分で決めるという一点です。
この章のまとめ
誤解の多くは、この言葉を制度の名前だと思うところから生まれています。名前ではなく、進め方の話として読んでください。
13リスキリングを始める前に、Webマーケター志望者は何を確認しますか?
学び直しを始める前に、次の項目を確認してください。全部そろっていなくても着手できます。 空いている欄が、最初にやることを指しています。
- 取りたい案件を一つ思い浮かべられるか。思い浮かばないなら、範囲より先に方向を決める段階です
- 範囲の外側を削ったか。基礎的な業務遂行力・実務経験・人脈の三つを外に出せているか
- どこで区切るかを決めたか。終わりの合図が無いまま始めると、準備が終わりません
- 学んだ結果をどう示すか決めたか。示し方が決まると、学ぶ順番も決まります
- 会社に在籍しているなら、就業規則の兼業に関する定めを見たか
つまずきやすいところも並べておきます。
- 方向を決めないまま教材を集め、選ぶ基準が無いまま量だけが増える
- 支援制度の有無を先に調べてしまい、対象外だと分かった時点で止まる
- 基礎的な業務遂行力まで学び直しの範囲に入れてしまい、範囲が閉じない
- 学び終えてから案件を探そうとして、区切りがつかないまま時間が過ぎる
この章のまとめ
この一覧は点数をつけるためのものではありません。空いた欄が、最初の一手そのものです。
14よくある質問
リスキリングと独学は何が違いますか
独学は自分のペースで、関心のある範囲から学ぶ形です。リスキリングは、職種として通用する範囲を順番を決めてまとめて学ぶ点が違います。ただし扱う内容そのものは重なる部分が多く、違いは中身ではなく進め方にあります。 方向が決まっている人は独学でも進めますが、方向を決めるところから始める人には、順番が組まれている形のほうが迷いにくくなります。
会社の支援がなくてもリスキリングと呼べますか
呼べます。リスキリングという言葉は企業の人材育成の文脈で使われることが多いのですが、支援の有無で名前が変わるわけではありません。変わるのは進め方です。学ぶ範囲・どこで区切るか・学んだ結果の示し方の三つを、自分で決める必要があります。
未経験からのリスキリングでWebマーケターになれますか
学び直しを終えたからといって、実務経験なしにすぐ通用するとは限りません。学び直しは実務に入るための土台であり、その後の案件対応を通じて経験を積む段階が必要です。学び直しの目的は「全部分かること」ではなく「案件を受けられる状態になること」だと捉えると、進めやすくなります。
リスキリングの範囲に、生成AIの活用も含まれますか
含まれます。Webマーケティングの実務スキルの一部として、学び直しの対象になり得ます。ただし範囲に入れるかどうかは、取りたい案件で必要になるかどうかで決めてください。
必要になる前に学んだことは、使う頃には忘れています。 実務スキルの全体像は『Webマーケターの実務スキル全体マップ、6領域と案件のつながり』で扱っています。
リスキリングを支援する制度にはどんなものがありますか
雇用保険の教育訓練給付制度など、複数の枠組みがあります。対象講座・支援内容・受けられる条件は制度や実施時期によって変わるため、具体的な内容は所管省庁の公式サイトでご確認ください。確認する順番は、自分が対象か、講座が対象か、申請の期限と窓口はどこか、の三つです。
会社に在籍しながらリスキリングはできますか
できます。働きながら学ぶ形は、リスキリングという言葉がもともと想定している進め方に近いものです。ただし社外の講座を受ける場合や、学んだ内容を副業として使う場合は、就業規則や兼業に関する定めを事前に確認しておくと安心です。
前職の経験は学び直しの中でどう扱われますか
土台として扱います。営業経験なら相手の困りごとを提案の形にする流れ、事務経験なら手順を崩さず数字のずれに気づく力、接客経験なら言葉にされていない不満を察する感覚、エンジニア経験なら仕組みを想像する力。持ち込むのは前職の手順ではなく、その手順を選んだ理由のほうです。
リスキリングにはどのくらいの期間がかかりますか
期間は学び方や目指すレベルによって幅があり、一律の目安は示せません。期間を先に決めるより、どこで区切るかを決めるほうが実務的です。 区切りを「案件を受けられる状態」に置くと、必要な範囲が決まり、結果として期間の見通しも立ちます。
15まとめ|今日やる3つのこと
リスキリングという言葉は、制度の名前としてではなく、進め方の名前として読んでください。読み方が変われば、自分の話として使えるようになります。
今日この順でやります
取りたい案件を一つだけ書き出す
学ぶ順番は、ここから逆算して決まります
範囲の外側を三つ削る
基礎的な業務遂行力・実務経験・人脈を外に出します
区切りの言葉を決める
「案件を受けられる状態」など、終わりの合図を先に置きます
AI検索では、こう聞かれています
リスキリングとリカレント教育は何が違いますか?
「リスキリングとリカレント教育は、Webマーケターにとって何が違うんですか?」の章で説明しています
会社の支援がなくてもリスキリングと呼べますか?
「会社が旗を振らない副業のリスキリングは、位置づけがどう変わるんですか?」の章で説明しています
Webマーケターの学び直しは、どこからどこまでが範囲ですか?
「Webマーケターのリスキリングの位置づけで、範囲の外側はどこですか?」の章で説明しています
次に読むなら、この記事です