副業の収入を伸ばそうとしたとき、進める方向は2つしかありません。受ける仕事の数を増やすか、1件あたりの金額を上げるか。

不思議なことに、この分かれ道そのものを扱った記事はほとんどありません。検索して出てくるのは「単価の上げ方」ばかりで、そもそも数を増やす道と比べて、いまの自分にどちらが向いているのかは誰も書いていません。

比べずに片方だけ選ぶと、たいてい遠回りになります。時間に余裕が無いのに数を増やして本業ごと崩す。実績が薄いのに単価の話を切り出して、案件そのものを失う。どちらも、順番を間違えただけで起きます。

この記事は、その順番の決め方を扱います。決め手は2つだけです。

こんなふうに調べていませんか

  • 副業の収入を伸ばしたいが、案件を増やすのと単価を上げるのでどちらが先か分からない
  • 単価を上げたいが、交渉して案件を失うのが怖い
  • 自分の時給が高いのか低いのかを、測る方法が分からない

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 案件数と単価のどちらから動かすかを、2つの軸で決められるようになります
  • 自分の時間単価を、報酬だけでなく実働の全体から測れるようになります
  • 単価の話を切り出す時期と、通らなかったときの戻し方が分かるようになります

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • 決め手は2つです。使える時間に余力があるか、実績を言葉にできているか。
  • 時間が薄くて実績が語れるなら単価から。時間があって実績が薄いなら数から。
  • 動かす前に、自分の時間単価を測ってください。 測らないまま比べることはできません。
伸ばす道は二本。選ぶ前にやることがあります測ってから選ぶと、遠回りがなくなります伸ばす道は二本。選ぶ前にやることがあります測るいまの位置を数字にする手元の時間と、実際の時間あたりの取り分選ぶ足りている側から動かす無いものを求める道は、そこで止まる戻す通らなかったときの手当て理由が三つのどれかで、打ち手が変わる鈴木さん測ってから選ぶと、遠回りがなくなります
伸ばす道は二本。選ぶ前にやることがあります — 測ってから選ぶと、遠回りがなくなります

ここから先は、副業で複数の依頼元を回している明石さんと、独立後の収入の設計を考えている岸本さんの質問を挟みながら、鈴木さんが答えていきます。

01副業Webマーケターは、案件数と単価のどちらを優先順位の上に置くんですか?

明石さん
明石さんの発言

収入を増やしたいのですが、案件を増やすほうがいいのか、単価を上げるほうがいいのか決められません。

鈴木さん
鈴木さんの発言

2つの軸で決まります。 使える時間に余力があるか、そして実績を言葉にできているか。この2つを置くだけで、どちらが先かは自動的に出ますよ。

先に結論を置きます。時間の余力が乏しく、実績を語れるなら単価から。時間に余力があって実績が薄いなら数から。 これが基本の形です。

なぜこの2つなのかというと、それぞれの道が要求するものが違うからです。数を増やす道は稼働時間を要求します。単価を上げる道は、説明できる材料を要求します。手元に無いものを要求する道を選ぶと、そこで止まります。

二本の軸を置くと、行き先は自動で決まります多いのは左上と右下。どちらも進み方が違います二本の軸を置くと、行き先は自動で決まります多いのは左上と右下。どちらも進み方が違います時間はあるが、語れない数を重ねて材料を作る。着手はいちばん軽い時間も材料もあるどちらも選べる。片方を軸にして進めるどちらも乏しい受けたものを確実に終えて、記録を残す段階語れるが、時間がない同じ稼働のまま取り分を動かすほうへ寄せる動かせる時間が残っているか →やったことを言葉にできるか →
二本の軸を置くと、行き先は自動で決まります — 多いのは左上と右下。どちらも進み方が違います

4つの象限のうち、いちばん多いのは左上と右下です。左上は始めたばかりの人、右下は続けてきた人によく出ます。

注意したいのが左下、つまりどちらも乏しい状態です。この場合、どちらの道もすぐには進めません。まずは受けている仕事を最後まで終わらせて、記録を残すところからになります。焦って動かすより、土台をつくるほうが結果的に早く進みます。

右上、つまり両方に余力がある場合は、どちらも選べます。ただし同時に大きく動かすと管理が煩雑になるので、片方を軸に据えて、もう一方は様子を見ながら進めるほうが安全です。

この章のまとめ

どちらが優れているという話ではありません。いまの自分に足りているものの側から動かしてください。

02案件数を増やす道と単価を上げる道は、副業Webマーケターにとって何が違うんですか?

2つの道は、伸び方も、要求されるものも、失敗の形も違います。

見るところ案件数を増やす道単価を上げる道
伸び方受けた数に比例して増える同じ稼働のまま増える
要求されるもの稼働時間と、切らさない仕組み説明できる材料と、切り出す勇気
着手のしやすさすぐ動かせる材料がそろうまで時間がかかる
上限使える時間で頭打ちになる相手の予算で頭打ちになる
失敗の形抱えすぎて質が落ちる交渉が通らず関係が冷える
ぶつかる壁の場所が、まったく違います片方は自分側で止まり、もう片方は相手側で止まりますぶつかる壁の場所が、まったく違います片方は自分側で止まり、もう片方は相手側で止まります受ける数を増やす道すぐ動かせる受けた分だけ積み上がる手元の時間で頭打ちになる壁は自分の側にあるので、動かせない取り分を動かす道材料がそろうまで待つ稼働を変えずに増える相手の枠で頭打ちになる壁は相手の側。相手を替えれば位置が変わる
ぶつかる壁の場所が、まったく違います — 片方は自分側で止まり、もう片方は相手側で止まります

いちばん大きな違いは上限の位置です。数を増やす道は、使える時間という自分側の上限にぶつかります。副業は本業と生活の残りで動くので、この上限は思ったより手前にあります。

単価を上げる道は、相手側の予算という上限にぶつかります。こちらは自分では動かせませんが、相手を変えれば上限も変わります。 ここが数の道との根本的な違いです。

失敗の形も違います。数を増やしすぎた場合、傷むのはいま持っている関係です。抱えすぎて対応が雑になると、既存の依頼元から先に離れていきます。単価の交渉が通らなかった場合、傷むのはその1件だけで済むことが多くなります。

この非対称性は、判断の材料になります。取り返しやすさで言えば、単価の交渉のほうが軽いということです。

この章のまとめ

違いは上限の位置です。数は自分の時間で止まり、単価は相手の予算で止まります。後者は相手を変えれば動きます。

03自分の時間単価は、副業Webマーケターならどうやって測るんですか?

岸本さん
岸本さんの発言

自分の時給が高いのか安いのか、そもそも分かっていない気がします。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこが出発点です。位置が分からないまま比べることはできません。 幸い、測るのは1件ぶんで足ります。手を動かすほうが早いですよ。

比べるには、いまの位置が要ります。測っていない状態で「安い気がする」と言っても、交渉の材料にはなりません。

測り方は単純ですが、多くの人が抜かす部分があります。

時間単価を測る手順

  1. 直近で終わった案件を1件選ぶ

    進行中のものは実働が確定していないので使えません

  2. 受け取った報酬を書く

    消費税や振込手数料の扱いも、そろえて書きます

  3. その案件に使った時間を全部足す

    作業だけでなく、打ち合わせ・移動・調べもの・やり取りを含めます

  4. 報酬を時間で割る

    これがその案件の時間単価です

割り算の分母を、たいてい少なく書いています手を動かした時間だけだと、実際より高く出ます割り算の分母を、たいてい少なく書いています手を動かした時間だけだと、実際より高く出ます分母に入れているもの手を動かしていた時間この数え方だと、どの案件も良く見える本当は分母に入るものやり取りにかかった時間要件を確かめる調べもの直しを待っていた時間打ち合わせと移動ここまで足して、はじめて比べられる
割り算の分母を、たいてい少なく書いています — 手を動かした時間だけだと、実際より高く出ます

3つめが抜けやすい部分です。手を動かしていた時間だけを数えると、実際より高く出ます。 依頼元とのやり取り、要件を確かめるための調べもの、修正の待ち時間。これらは全部、その案件のために使った時間です。

参考として、社内の集計を1つ置きます。WEBMARKSの卒業生データのうち、時給が判明している14件の平均は2,207円でした。同じ集計には、時給5,000円で契約した事例も含まれます。対象期間は2020年から2025年です(出典: WEBMARKS社内実績集計)。

この幅は、交渉すれば上がることを示す数字ではありません。 同じ副業案件でも時間単価に差があるという実態を示しているだけです。自分の測定値と比べるときも、良し悪しの判定ではなく、位置の確認として使ってください。

測ったら、案件ごとに並べてください。同じ相手でも案件によって差が出ます。 差が大きい案件が見つかったら、そこが最初に手を入れる場所になります。

この章のまとめ

測るときはやり取りと調べものと待ち時間まで足してください。 作業時間だけで割ると、実際より高く出ます。

04副業に使える時間は、Webマーケターならどう数えるんですか?

もう一方の軸である「時間の余力」も、感覚では測れません。数える対象を決めてください。

数えるのは、副業に回せる時間の総量ではありません。すでに埋まっている分を引いた、残りのほうです。

残りは、引き算でしか出てきません総量ではなく、いちばん上の段だけを数えます残りは、引き算でしか出てきません総量ではなく、いちばん上の段だけを数えます動かせる残り量だけでなく、まとまって使えるかも見るいま受けている分やり取りと調べものまで含めて数える暮らしに要る分眠る時間も含める。削ると先に別のものが壊れる本業に取られる分動かせない土台。ここは前提として置く
残りは、引き算でしか出てきません — 総量ではなく、いちばん上の段だけを数えます

手順はこうします。ふだんの1週間を思い浮かべて、本業に取られる時間、生活に要る時間、いま受けている案件に使っている時間を並べます。その残りが、動かせる時間です。

ここで見えてくるのは、量だけではありません。時間の形も見えます。まとまって使える時間があるのか、細切れしかないのか。この違いは、受けられる案件の種類を決めます。

副業を始めたばかりの頃は、週に5時間ほどしか取れないという人も珍しくありません。継続して回している人で、週に15時間から20時間を確保しているという例もあります。この幅のどこにいるかで、増やせる余地はまったく変わります。

そして、数えた結果として余力がゼロだった場合も、それは有効な答えです。 その場合は数を増やす道が消えるので、判断は自動的に単価の側に決まります。時間を作る方法そのものは『Webマーケター副業の時間の作り方、5手順で確保する』で扱っています。

この章のまとめ

余力がゼロだったなら、それも答えです。数の道が消えるので、判断は単価の側に決まります。

05副業Webマーケターの優先順位は、案件数と単価のどちらから動かすと早いんですか?

ここまでで、時間の余力と時間単価が分かりました。この2つを、実績を言葉にできるかどうかと組み合わせて判断します。

判断の流れはこうです。

見る順番を守ると、迷う場面が消えます先に時間、次に材料。逆にすると決まりません見る順番を守ると、迷う場面が消えます先に時間、次に材料。逆にすると決まりません1残りを数えるゼロに近ければ、数を増やす道はここで消える2語れる案件を数える状況・判断・理由・結果が言えるものだけ3足りている側を選ぶ無いものを求める道は選ばない4片方だけ動かす同時に動かすと、効いたものが分からなくなる
見る順番を守ると、迷う場面が消えます — 先に時間、次に材料。逆にすると決まりません

まず、残り時間を見ます。ここがゼロに近ければ、数の道は選べません。 単価の側へ進みます。

余力がある場合は、次に実績を見ます。依頼元に対して「こういう状況で、こう考えて、こうした」と説明できる案件がいくつあるか。説明できる案件が乏しければ、数の道を選びます。 経験そのものが足りていないので、まず数を重ねて材料を作ります。

両方そろっている場合は、どちらでも構いません。ただし同時に大きく動かさないでください。 新しい依頼元を探しながら既存の相手と単価の話をすると、どちらも中途半端になります。

そして、動かした後はしばらく様子を見てください。 数を増やしたなら、既存の案件の質が保てているか。単価を動かしたなら、相手の反応がどう変わったか。片方ずつ動かすと、何が効いたのかが分かります。

なお、この判断は一度決めたら固定するものではありません。本業の忙しさも、実績の積み上がり方も、数か月で変わります。季節ごとに見直すくらいの頻度で構いません。

この章のまとめ

順番は時間 → 実績の順に見ます。片方ずつ動かすと、効いたものが分かります。

06実績を言葉にできているかは、副業Webマーケターの単価にどう効くんですか?

単価の話は、相手が納得できる材料が無いと通りません。 そして材料とは、成果そのものではなく、成果に至る説明のことです。

説明できる状態かどうかは、次の項目で確かめられます。

  • どんな状況の依頼だったかを、業種と課題の形で言える
  • 何を狙って、どう進めたかを順番で言える
  • 途中で変えた判断と、その理由を言える
  • 相手にとって何が良くなったかを、相手の言葉で言える
  • 同じことを別の依頼元でも再現できると説明できる
「やりました」から先へ、言葉を伸ばします終わってからでは作れません。進めながら残します「やりました」から先へ、言葉を伸ばします終わってからでは作れません。進めながら残します1やったことを並べるここで止まると、比べられる相手が増えるだけ2なぜそうしたかを足す途中で変えた判断と、その理由まで書く3相手側の変化を書く相手が言った言葉を、そのまま控えておく4再現できると示す一度きりではなく、繰り返せる力として見てもらう
「やりました」から先へ、言葉を伸ばします — 終わってからでは作れません。進めながら残します

多くの人が止まるのは、いちばん下の段です。「SEOの改善をしました」は、やったことの列挙であって説明ではありません。 ここから上がるには、判断の理由を思い出せる状態にしておく必要があります。

だから、実績は終わってから作るのではなく、進めながら残します。 案件が終わった数か月後には、なぜその判断をしたかは思い出せなくなっています。

いちばん上の段が、単価の話に直接効きます。「別の相手でも同じように進められる」と示せると、相手にとっての価値が上がります。 一度きりの成果ではなく、繰り返せる能力として見てもらえるからです。

材料がそろっていない段階では、単価の話は先送りしてください。通らないだけでなく、材料が無いまま切り出したという印象が残ります。

材料を作るのに、特別な仕組みは要りません。案件が1件終わるたびに、4行だけ書き足してください。 どんな状況だったか、何を狙ったか、途中で何を変えたか、相手にとって何が変わったか。この4行を積んでいくだけで、半年後には話せる材料になっています。

書くときに1つだけ気をつけたいのが、相手の言葉をそのまま残しておくことです。「助かった」「これは想定していなかった」といった一言は、自分でまとめた要約より説得力があります。やり取りの中から拾って、そのまま控えておいてください。

この章のまとめ

材料は成果ではなく説明です。判断の理由を残しておかないと、後から作れません。

07どの工程を持つと、副業Webマーケターの単価の話は通りやすくなるんですか?

同じ副業でも、任される工程によって話の通りやすさが変わります。上流を持つほど、金額の話が通りやすくなります。

なぜかというと、上流の工程ほど代わりが少なく、結果への影響が大きいからです。決められたとおりに作る仕事は、比べられる相手が多くなります。何を作るかを決める仕事は、比べにくくなります。

受け持つ場所が上がると、比べられにくくなりますいまの仕事の、ひとつ手前へ手を伸ばします受け持つ場所が上がると、比べられにくくなりますいまの仕事の、ひとつ手前へ手を伸ばします何を先にやるかを決める代わりが少なく、結果への効き方も大きいどう作るかを組み立てる任せる理由が出てくる位置決められたものを作る同じことができる相手が多く、比べられやすい
受け持つ場所が上がると、比べられにくくなります — いまの仕事の、ひとつ手前へ手を伸ばします

工程を上げるといっても、いきなり全部を担う必要はありません。いまの仕事の1つ手前に手を伸ばすだけで変わります。 記事を書いているなら、どのテーマを先に書くかの相談に入る。広告を運用しているなら、どの数字を目標に置くかの相談に入る。

やり方も難しくありません。報告に、次に何をすべきかの意見を1行だけ添える。 これを続けていると、相談が来る位置が自然に上がります。

ただし、工程を上げると必要な時間も変わります。 決めるための情報を集める時間、相手と合意するための時間。作業だけをしていた頃より、やり取りが増えます。時間単価を測り直しながら進めてください。

工程を上げることそのものが目的ではありません。同じ時間で受け取るものを増やすための手段の1つです。

この章のまとめ

上流を持つほど比べられにくくなります。いまの仕事の1つ手前へ、報告の1行から手を伸ばしてください。

08単価の話を切り出すタイミングは、副業Webマーケターならいつですか?

明石さん
明石さんの発言

材料はそろってきた気がするのですが、いつ言えばいいのか分からなくて。

鈴木さん
鈴木さんの発言

時期のほうが材料より効きます。 同じことを言っても、通る日と通らない日があるんですよ。まず、通りやすい日がいつかを知っておきましょう。

材料がそろっていても、時期を外すと通りません。切り出しやすい時期は決まっています。

同じ話でも、通る日と通らない日があります材料より先に、日を選んでください同じ話でも、通る日と通らない日があります材料より先に、日を選んでください更新のとき条件を見る前提がある切り出しても不自然にならない範囲が動いたとき根拠がその場にある頼まれごとが増えている流れで話す成果が見えた直後相手が実感している話が届きやすい時期枠が組み直る前相手の予算が動く会社ごとのリズムを知っておく
同じ話でも、通る日と通らない日があります — 材料より先に、日を選んでください

いちばん自然なのは、契約を更新するときです。条件を見直す前提がその場にあるので、切り出したこと自体が不自然になりません。

次が、任される範囲が広がったときです。「ついでにこれも」が続いているなら、それは金額の話をする根拠がその場にあるということです。範囲が変わったのだから条件も見直したい、という筋が通ります。

3つめが、成果が確かめられた直後です。相手が良い変化を実感している時期であれば、話が届きやすくなります。

4つめが、相手の予算が動く時期です。年度や期の変わり目に予算が組み直される場合、その手前が話しやすい時期になります。相手の会社のリズムを知っておくと、この時期は読めます。

切り出し方そのものは、単価交渉の実務にあたります。実額の目安の持ち方と記録の残し方は『Webマーケターの単価交渉、実額の目安と自分で記録する方法』で扱っています。

この章のまとめ

切り出しやすいのは更新・範囲拡大・成果の直後・予算が動く時期の4つです。時期を外すと材料があっても通りません。

09逆に、副業Webマーケターが単価の話を避けたほうがいい時期はありますか?

あります。ここを知らずに切り出すと、材料がそろっていても通りません。

  • 案件が始まったばかりで、まだ成果を出していない時期
  • 相手側でトラブルが起きていて、対応に追われている時期
  • こちらの納品が遅れた直後
  • 相手の担当者が変わったばかりの時期
  • 予算がすでに確定した直後
この時期に言うと、材料があっても通りません当てはまるあいだは、黙って材料を貯めますこの時期に言うと、材料があっても通りません当てはまるあいだは、黙って材料を貯めます始まったばかりで、まだ何も出していない条件だけを見る相手だという印象が残る相手の側で問題が起きて、手が回っていない話が届く余地がないこちらの納品が遅れた直後立場が弱いときに持ち出さない担当が替わったばかりそれまでの経緯が引き継がれていない
この時期に言うと、材料があっても通りません — 当てはまるあいだは、黙って材料を貯めます

いちばん多い失敗が、始まったばかりの時期に切り出すことです。実績が積み上がる前に金額の話をすると、条件だけを見て動く相手だという印象が残ります。

3つめも見落とされます。こちらの側で何かが起きた直後は、立場が弱くなります。 遅れを取り戻してから、あらためて時期を選んでください。

4つめは、副業では特に効きます。担当者が変わると、それまでの経緯が引き継がれていないことがあります。 前任者との関係で成り立っていた条件は、いったんゼロから説明し直す必要があります。この時期に単価を上げる話をすると、話が噛み合いません。

避けたほうがいい時期に気づいたら、話を持ち出さずに材料を貯めてください。 時期が来たときに、そのまま使えます。

この章のまとめ

避けるのは材料が無い時期と、こちらの立場が弱い時期です。待つ間は材料を貯める時間に使ってください。

10案件数を増やしたとき、副業Webマーケターは何から先に壊れるんですか?

明石さん
明石さんの発言

件数を増やすとき、どこまでなら大丈夫かの目安が知りたいです。

鈴木さん
鈴木さんの発言

件数では測れません。先に壊れるのは時間ではなく、返信の速さのほうなんです。そこを目安にすると、手前で気づけます。

数を増やす道を選んだ場合の危険は、時間が足りなくなることではありません。もっと手前で別のものが壊れます。

抱えすぎたとき、時間より先に痩せるものいちばん上が、上限を知らせる合図になります抱えすぎたとき、時間より先に痩せるものいちばん上が、上限を知らせる合図になります1返しが遅くなる相手には、遅くなったことだけが伝わる2確かめが浅くなる認識がずれ、やり直しが増えて時間がさらに減る3報告が型どおりになる手間は減るが、相手にとっての値打ちも減る4相手が離れていくここまで来ると、増やした数も保てない
抱えすぎたとき、時間より先に痩せるもの — いちばん上が、上限を知らせる合図になります

最初に壊れるのは、返信の速さです。件数が増えると、どれも後回しになります。相手から見ると、以前より遅くなったことだけが伝わります。

次が、確認の深さです。急いで進めるために、要件の確かめが浅くなります。認識のずれが増え、やり直しが発生し、さらに時間が減ります。

その次が、報告の中身です。どの相手にも同じ形の報告を出すようになります。手間は減りますが、相手にとっての価値も減ります。

そして最後に、相手が離れます。 ここまで来ると、増やしたはずの件数も維持できません。

止め方は決まっています。返信の速さを、増やしてよいかどうかの目安にしてください。 返信が遅れ始めたら、それが上限のサインです。件数ではなく、この1点を見ていれば手前で気づけます。

複数の相手を同時に持つときの管理の仕方は『副業Webマーケター、複数クライアントを並行管理する方法』で扱っています。増やす前に、受け止める形を用意してください。

この章のまとめ

先に壊れるのは時間ではなく返信の速さです。ここを上限のサインとして使ってください。

11単価の交渉が通らなかったら、副業Webマーケターはどう戻すんですか?

通らないこともあります。大事なのは、通らなかった後の振る舞いです。

通らなかった理由は、たいてい3つのどれかです。相手に予算が無い、こちらの材料が足りない、時期が合わなかった。どれなのかを確かめると、次の手が決まります。

断られた理由で、次の一手が変わります「今回は難しい」で終わらせないでください断られた理由で、次の一手が変わります「今回は難しい」で終わらせないでください通らなかった理由そのときにやることそもそも枠がない相手を替える方向へ動かすこちらの材料が薄い何があれば考えられるか聞いて貯める日が合わなかった次の節目を確かめて、そこまで待つ理由が分からない仕事の質は保ったまま、様子を見る
断られた理由で、次の一手が変わります — 「今回は難しい」で終わらせないでください

予算が無い場合、その相手からは動きません。この場合は、単価の道ではなく相手を変える道になります。 いまの相手を続けながら、条件の合う相手を探す形です。

材料が足りない場合は、何が足りなかったかを聞ける関係なら聞いてください。 「今回は難しい」で終わらせず、どういう状態なら考えられるかを確かめると、次の材料が分かります。

時期が合わなかった場合は、待つだけです。次の節目を確かめて、そこまで材料を貯めてください。

そして、通らなかった後も仕事の質を落とさないでください。 ここで態度が変わると、金額の話をしたこと自体が悪い記憶になります。淡々と続けることが、次の交渉の土台になります。

なお、通らなかった結果として関係が冷えることもあります。その場合は、その相手との付き合い方そのものを見直す機会として扱ってください。条件の話ができない相手と長く続けるのは、副業では負担が大きくなります。

この章のまとめ

通らなかったら、理由が予算・材料・時期のどれかを確かめてください。打ち手はそれぞれ違います。

12依頼元との関係の段階は、副業Webマーケターの優先順位をどう変えるんですか?

同じ人でも、相手との関係がどの段階にあるかで、選べる道が変わります。

相手との距離で、選べる手が変わります近くなるほど、取り分の話が動かしやすくなります相手との距離で、選べる手が変わります近くなるほど、取り分の話が動かしやすくなります単発毎回ゼロから始まる取り分より先に、切らさない形をつくる継続更新の日が来るここではじめて、条件の話が現実的になる相談決める前に呼ばれる受け持つ場所ごと動かす話ができる
相手との距離で、選べる手が変わります — 近くなるほど、取り分の話が動かしやすくなります

単発の仕事をいくつか受けている段階では、単価の話より先にやることがあります。 次につながる関係を作ることです。単発のまま数だけを増やしても、毎回ゼロから始まるので消耗します。

紹介や継続につながる関係の作り方は『Webマーケター案件の紹介が続く関係、3要素で作る』で扱っています。

継続の依頼が始まった段階では、更新の時期が条件を見直す機会になります。ここで初めて、単価の道が現実的な選択肢になります。

相談が先に来るようになった段階では、工程を上げる話ができます。「何をやるか」の相談に入っていれば、金額の話も一緒に動かせます。

段階が進むほど、単価の側の選択肢が増えます。逆に言えば、段階が浅いうちに単価だけを動かそうとしても、選択肢が足りません。 関係を進めること自体が、単価の道の準備になります。

この章のまとめ

段階が浅いうちは、関係を進めることが単価の準備になります。順番を飛ばすと選択肢が足りません。

13判断を続けるために、副業Webマーケターは何を記録しておくんですか?

この判断は一度で終わりません。数か月ごとに見直すので、比べられる記録が要ります。

残すのは4つです。

案件ごとの時間単価。実働を全部含めて割った数字です。同じ形で残しておくと、案件同士を比べられます。

週の残り時間。数えた日と、そのときの本業の状況を添えておきます。忙しい時期の記録と、そうでない時期の記録の両方があると、平均ではなく幅で見られます。

説明できる実績の一覧。案件ごとに、状況・判断・理由・結果を短く書きます。単価の話をするときに、そのまま材料になります。

そして、単価の話をした記録です。いつ、誰に、どう切り出して、どうなったか。 通っても通らなくても残してください。次に切り出すときの土台になります。

記録は細かくしなくて構いません。続かない粒度で始めると、数か月後に何も残りません。 案件が終わったときに数行足す、という形で十分です。

置き場所も決めておいてください。探す手間がかかる場所に置くと、次に見るときに開かなくなります。 手帳でも、ふだん使っているメモでも構いません。開き続けるほうに置いておくと残ります。

そして、記録を見返す日をあらかじめ決めてください。日付を決めておかないと、忙しいときほど後回しになります。判断の材料は、判断する日の前に読めていないと使えません。

この章のまとめ

残すのは時間単価・残り時間・説明できる実績・交渉の記録の4つ。案件が終わるたびに数行で足ります。

14よくある質問

案件を増やすのと単価を上げるの、副業Webマーケターはどちらが早く収入が伸びますか

状況によって変わるため、一概には言えません。実績が薄い段階では数を増やすほうが着手しやすく、材料がそろっている段階では単価を動かすほうが同じ時間で伸ばせます。まず時間の余力を数えてから決めてください。

単価を上げる交渉に失敗したら、案件を失いますか

失う場合もありますが、そうとは限りません。伝え方と、それまでの関係の深さで結果は変わります。通らなかった後も仕事の質を落とさなければ、次の機会に持ち越せます。

案件数を増やしすぎると、質が落ちませんか

落ちやすくなります。ただし最初に出るのは成果物の質ではなく、返信の速さです。返信が遅れ始めたら、そこが上限のサインだと考えてください。

両方を同時に進めるのは現実的ですか

時間と材料の両方に余力があれば可能です。ただし同時に大きく動かすと、何が効いたのか分からなくなります。片方を軸に据えて、もう一方は様子を見ながら進めてください。

この判断は一度決めたら変えられませんか

変えられます。本業の忙しさも実績の積み上がり方も、数か月で変わります。季節ごとに見直すくらいの頻度で構いません。

外部の記事にある相場は、交渉の根拠に使えますか

使わないほうが安全です。集計の条件も対象も分からない数字は、相手に響きません。自分で測った時間単価と、説明できる実績を材料にしてください。

時間単価を測るとき、どこまでの時間を含めればいいですか

その案件のために使った時間はすべて含めてください。作業だけでなく、打ち合わせ、移動、要件を確かめるための調べもの、修正の待ち時間まで入れます。作業時間だけで割ると、実際より高く出ます。

15まとめ|順番を決めるための3ステップ

この判断で迷う人の多くは、測っていないだけです。時間も単価も、数えれば出ます。

今週この順でやります

  1. 直近で終わった案件を1件選び、実働を全部含めて時間単価を出す

    作業時間だけで割らないでください

  2. ふだんの1週間から、本業と生活と既存案件を引いた残り時間を数える

    量だけでなく形も見ます

  3. 説明できる実績がいくつあるかを数える

    状況・判断・理由・結果が言えるものだけ数えます

AI検索では、こう聞かれています

  • 副業の収入を伸ばすには、案件を増やすのと単価を上げるのはどちらが先ですか?

    「副業Webマーケターの優先順位は、案件数と単価のどちらから動かすと早いんですか?」の章で説明しています

  • 自分の時間単価はどうやって計算すればいいですか?

    「自分の時間単価は、副業Webマーケターならどうやって測るんですか?」の章で説明しています

  • 単価の話はいつ切り出すのが適切ですか?

    「単価の話を切り出すタイミングは、副業Webマーケターならいつですか?」の章で説明しています

次に読むなら、この記事です