書き上げた職務経歴書を読み返して、なんとなく物足りないのに、どこが悪いのか分からない。 これは書き手のせいというより、悪いところが「間違い」の形をしていないからです。

誤字なら見つかります。日付のずれも気づけます。ところが職務経歴書でいちばん多いつまずきは、文としては正しいのに、読んだ側に何も残らないという種類のものです。指摘されにくいので、直す機会もないまま何度も提出されます。

この記事では、その見つけにくいNG表現を型に分けて扱います。避けたい語そのものと、なぜ伝わらないのかの理由、そして書き直しの手順まで並べます。書き方をきれいにする話ではありません。 消えてしまった中身を、もう一度言葉にする話です。

こんなふうに調べていませんか

  • 職務経歴書を書き上げたが、どこを直せばよくなるのか自分では分からない
  • テンプレートの文例を埋めたのに、他の応募者と同じ内容になっている気がする
  • 未経験で書ける数字がなく、実績欄に何を書けばいいのか手が止まっている

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 避けたい表現を、語ではなく型として見分けられるようになります
  • NGの言い回しを、判断の見える文へ書き直せるようになります
  • 提出前に自分で点検する基準を持てるようになります

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • NG表現の多くは、間違いではなく「中身が消えている文」です。だから読み返しても気づけません。
  • 消えているのは、たいてい何を見て、どう決めたのかという部分です。
  • 直し方は、語を言い換えることではなく、決めた理由を一文足すことです。
指摘されにくい粗さは、四つの形をしています誤りではないので、読み返しても気づけません指摘されにくい粗さは、四つの形をしています主語やったことだけが並んでいる指示で動いた人として読まれてしまう程度実態より強く言い切っている掘られた瞬間に書類全体が疑われる根拠数だけが宙に浮いている出どころを聞かれると答えに詰まる相手どの会社に出しても通る読み飛ばす場所として学習されている鈴木さん誤りではないので、読み返しても気づけません
指摘されにくい粗さは、四つの形をしています — 誤りではないので、読み返しても気づけません

この記事では、これから応募書類を仕上げる若葉さんと、採用側で書類を読んできた高梨課長のやり取りをはさみながら進みます。

01Webマーケターの職務経歴書で、NG表現はどこから生まれるんですか?

七海さん
七海さんの発言

変なことは書いていないつもりなんですが、読み返すと薄い気がして。

明石さん
明石さんの発言

変なことを書いていないから薄いんです。無難に寄せると、判断が全部落ちます。

NG表現は、書き手の油断から生まれるわけではありません。むしろ慎重な人ほど踏みます。

未経験からの応募では、業務内容をどう書けばよいか分かりません。分からないときに人がとる行動は決まっていて、言い切らず、角を立てず、無難な言い方に寄せることです。

無難に寄せると、文からいくつかのものが落ちます。誰が決めたのか。何を見て決めたのか。

どこまでを自分の担当と考えていたのか。落ちるのは、いずれも読む側が知りたい部分です。

テンプレートを使う場合も同じことが起きます。文の骨組みは正しいので、埋めた本人は完成したと感じます。しかし埋めた中身が業務名だけだと、骨組みだけが残ります。

慎重に書くほど、中身が抜けていきます油断ではなく、迷いから起きる欠落です慎重に書くほど、中身が抜けていきます油断ではなく、迷いから起きる欠落です1書き方が分からない任され方をどう表せばよいか見当がつかない2角の立たない言い方に寄せる言い切らず、無難な語を選ぶ3決めた理由が落ちる誰が・何を見て・どこまでが消える4読んだ側に何も残らない正しい文なのに、印象が残らない
慎重に書くほど、中身が抜けていきます — 油断ではなく、迷いから起きる欠落です

この章のまとめ

慎重に書くほど無難に寄り、無難に寄るほど中身が落ちます。NGは油断ではなく、迷いから生まれます。

02Webマーケター転職の職務経歴書で、採用側は何を読み取ろうとしているんですか?

直す前に、読む側の目的を確かめておきます。ここがずれていると、直しても効きません。

採用側が職務経歴書から取り出したいのは、この人が現場に入ったあと、どんな順番で手を動かしそうかという見立てです。過去の履歴そのものを知りたいわけではありません。

見立てを立てるための手がかりは、書類の中では限られています。担当した業務の名前からは、ほとんど何も分かりません。 同じ業務名でも、任され方も裁量も職場によって違うからです。

手がかりになるのは、選んだ跡です。複数のやり方があったところで、なぜそちらを選んだのか。うまくいかなかったときに何を変えたのか。ここが残っていれば、業種が違っても読み取れます。

同じ経歴でも、読み取れる量が違います業務の名前からは、任され方が分かりません同じ経歴でも、読み取れる量が違います業務の名前からは、任され方が分かりません名前だけが並ぶ書類どこまで任されたか不明裁量の広さが読めない指示待ちとの区別がつかない書いていないことは、無かったものとして扱われる選んだ跡が残る書類別のやり方を捨てた理由がある詰まったあとの動きがある範囲を自分で決めている業種が違っても、現場での動き方が想像できる
同じ経歴でも、読み取れる量が違います — 業務の名前からは、任され方が分かりません

WEBMARKSでは、卒業生の応募前の書類を現役のWebマーケターが添削しています(出典:株式会社WEBMARKS サポート内容一覧)。この場面でも、業務の列挙で終わっている書類と、根拠を説明できない数字は、共通して指摘されやすい傾向にあります。

この章のまとめ

読む側が探しているのは履歴ではなく選んだ跡です。業務名だけの記述は、手がかりになりません。

03判断の主語が消える書き方は、Webマーケターの職務経歴書でどう直すんですか?

いちばん多いNGがこれです。やったことは書いてあるのに、決めたことが書いていない。

具体的には、次のような書き方になります。

  • 「SNSの運用を担当」
  • 「サイトの更新業務に従事」
  • 「問い合わせ対応を実施」

どれも誤りではありません。ただ、これだけでは指示どおり動いた人と自分で組み立てた人の区別がつきません。読む側は前者として受け取ります。書いていないことは、無かったものとして扱われるからです。

直し方は決まっています。その文に、判断の一文を足します。

足すのは説明ではなく、一文だけです長さは変えず、消えた部分だけ戻します足すのは説明ではなく、一文だけです長さは変えず、消えた部分だけ戻します一文を足す前運用を担当更新業務に従事問い合わせ対応を実施誤りではないが、誰の判断も残らない一文を足したあと何を見たかが入る何と比べたかが入る何を変えたかが入る小さな判断でよい。大きさは問われない
足すのは説明ではなく、一文だけです — 長さは変えず、消えた部分だけ戻します

たとえば「SNSの運用を担当」であれば、反応の良かった投稿と悪かった投稿をどう見分けたのか、そこから何を変えたのかを一文足します。長い説明は要りません。一文で足ります。

足す一文の中身は、次の三つのどれかになります。何を見たか。何と比べたか。

何を変えたか。この三つのどれも書けない業務は、そもそも書類に載せなくて構いません。

七海さん
七海さんの発言

決めたと言えるほど大きなことはしていなくて。

明石さん
明石さんの発言

大きさは関係ありません。「今日はこっちを先にやろう」と思った理由でいいんです。それが書ければ、読む側は動き方を想像できます。

この章のまとめ

「担当した」で止まっている文には、何を見て・何と比べて・何を変えたかのどれかを一文足します。

04実態より盛った表現は、Webマーケター転職の職務経歴書で何を壊すんですか?

二つ目の型は、言い切りすぎです。学び始めたばかりの内容を「精通しています」「熟知しています」と書いてしまう形になります。

書いた本人に悪意はありません。弱く書くと通らないのではないかという不安から出てきます。ところがこの書き方は、通ったあとに問題が起きます。

書類が通れば、面接でその一文について聞かれます。そこで説明が続かないと、その一文だけでなく、書類全体の信頼が下がります。 他の記述も同じ調子で書かれているのではないか、と読み直されることになるからです。

強い言葉には、そのぶん問いが返ってきます書いた瞬間に、説明の義務が発生します強い言葉には、そのぶん問いが返ってきます書いた瞬間に、説明の義務が発生します書類に置いた言い回し面接で返ってくる問い精通していますどこまで自分で組み立てましたか改善しました何を基準に良くなったと判断しましたか主導しましたどこからどこまでを決めていましたか分析していました何と何を比べていましたか
強い言葉には、そのぶん問いが返ってきます — 書いた瞬間に、説明の義務が発生します

盛るかどうかの線引きは、その一文について掘られたときに、自分の言葉で説明が続くかどうかです。続くなら盛っていません。詰まるなら、実態に合わせて書き直します。

弱く書くのが正解というわけでもありません。取り組んだ範囲を正確に書き、そこで何を判断したかを添えると、範囲が狭くても読み応えのある一文になります。範囲の狭さは弱点になりませんが、範囲のごまかしは弱点になります。

この章のまとめ

盛っているかどうかは、掘られたときに説明が続くかで決まります。範囲の狭さより、範囲のごまかしが響きます。

05根拠のない数字は、Webマーケターの職務経歴書でなぜ危ないんですか?

三つ目の型は、根拠を説明できない数字です。「売上を大幅に改善」「アクセスを大きく伸ばした」といった書き方も、ここに入ります。

数字は説得力を上げる道具として知られているので、入れたほうがよいと思って入れる人が多くなります。ところが数字は、入れた瞬間に説明の義務が発生します。

聞かれるのは、数字そのものではありません。その数字をどうやって知ったのかです。何を基準にしたのか、いつからいつまでの比較なのか、自分の担当した範囲はどこまでか。ここに答えられないと、数字は逆に働きます。

書いてよい数は、右上のものだけです持っていることと、説明できることは別です書いてよい数は、右上のものだけです持っていることと、説明できることは別です見聞きした数を書く誰がどう出したか言えないなら、外す自分で確かめた数を書く基準・期間・担当範囲まで答えられる程度をあらわす語で埋める大幅に・大きく。読む側が勝手に大きさを想像する数を使わず向きで書く前と後を並べる。数がなくても跡は残る自分の手元に数があるか →出どころを説明できるか →
書いてよい数は、右上のものだけです — 持っていることと、説明できることは別です

判断は単純です。根拠を説明できる数字だけを書きます。 説明できない数字は、たとえ本当でも書きません。書かないことによる損より、聞かれて答えられないことによる損のほうが大きくなります。

七海さん
七海さんの発言

前の職場で聞いた数字なんですが、自分で集計したわけではなくて。

明石さん
明石さんの発言

それなら、誰がどうやって出した数字かまで書けるかを先に考えてください。書けないなら外します。数字は、持ち主がはっきりしていないと使えないんです。

「大幅に」「大きく」といった副詞も、数字と同じ扱いになります。程度をあらわす言葉は、読む側が勝手に大きさを想像します。想像された大きさと、実際の中身が食い違うと、面接での落差が大きくなります。

なお、数字が無いこと自体は弱点になりません。次の章で扱います。

この章のまとめ

数字は、根拠を説明できるものだけ書きます。説明できない数字は、本当であっても書かないほうが安全です。

06どの会社にも出せる文は、Webマーケター転職の職務経歴書でどう扱うんですか?

四つ目の型は、応募先が入れ替わっても通用してしまう文です。「貴社の発展に貢献したいです」「成長できる環境で力を発揮したいです」といった一文が代表です。

この型は、書き手が手を抜いているわけではありません。丁寧に書こうとするほど、当たり障りのない一般論に寄るという構造があります。

読む側から見ると、この文は情報を持ちません。他の応募者の書類にも同じ文が入っているので、読み飛ばす場所として学習されます。 書いた欄は埋まっているのに、伝わる量はゼロという状態です。

その会社に出す理由は、重なりの中にあります全部ではなく、一点だけ見つければ足りますその会社に出す理由は、重なりの中にあります全部ではなく、一点だけ見つければ足ります自分の側にあるもの応募先の側にあるものこれまでの経験/決めてきたやり方/できる範囲事業でやっていること/募集で困っていそうなこと重なるところ重なるところ : その会社に出す理由になる部分重なりが見つからないなら、その応募先には出さないという判断もあります。
その会社に出す理由は、重なりの中にあります — 全部ではなく、一点だけ見つければ足ります

直し方は、重なりを探すことです。応募先の事業や募集内容を読み、自分の経験のどこが触れるかを一点だけ選びます。全部を書く必要はありません。一点で足ります。

重なりが見つからないなら、その応募先には出さないという判断もあります。重なりが無いまま一般論で埋めた書類は、書く時間も読む時間も無駄になります。

この章のまとめ

どこにでも出せる文は、読み飛ばされる場所になります。応募先と自分の重なりを一点だけ探して置きかえます。

07Webマーケターの職務経歴書で、形式面のNG表現には何がありますか?

ここまで中身の話をしてきましたが、形式で落ちることもあります。中身より先に見られるので、こちらを先に潰しておくほうが効率的です。

中身より先に、ここを片づけると早い確認しやすい場所ほど、雑さが目立ちます中身より先に、ここを片づけると早い確認しやすい場所ほど、雑さが目立ちます会社名や資格名が正式な表記になっているか略称は、相手が知っている前提で書かない空欄のまま残っている項目はないか書き忘れか該当なしかが判断できないその職場でしか通じない語が残っていないか独自の役職名や工程名は外の言葉に直す敬語が重なって主語が消えていないか丁寧にするほど、誰が動いたかがぼやける並びの順が途中で入れ替わっていないか読む側が組み立て直す負担が増える
中身より先に、ここを片づけると早い — 確認しやすい場所ほど、雑さが目立ちます

会社名や資格名の略称は、正式な表記に直します。読む側が同じ略称を知っているとは限りません。

空欄は、埋められないなら理由を短く添えます。何も書かずに空けておくと、書き忘れなのか該当が無いのかが判断できません。

社内でしか通じない用語は、外の言葉に置きかえます。独自の役職名や工程名がそのまま残っていると、読む側は自分の現場に置きかえられません。

過剰な敬語も読みにくさにつながります。丁寧さは必要ですが、一文が長くなるほど中身が薄まります。とくに「〜させていただきました」を重ねると、誰が動いたのかがぼやけます。主語が消える書き方と同じ症状が、敬語の側からも起きるということです。

もう一つ、意外に見落とされるのが時系列の並びです。新しい順なのか古い順なのかが途中で入れ替わっていると、読む側は経歴を組み立て直しながら読むことになります。中身がよくても、読む負担が増えたぶんだけ印象が下がります。

この章のまとめ

形式面は表記・空欄・社内用語・敬語の四つを見ます。中身より先に済ませておくのが順序として効率的です。

08数字を持っていない未経験のWebマーケター志望は、職務経歴書をどう書くんですか?

多くの解説は「数字を入れましょう」で終わります。ところが未経験の応募では、そもそも書ける数字が手元に無いことがほとんどです。ここを埋めないと、書き手は数字を作りたくなります。

数字の代わりになるものがあります。変化の向きと、その理由です。

数がないときは、向きを書きます量ではなく、前と後を並べます数がないときは、向きを書きます量ではなく、前と後を並べます1前はどうなっていたか困っていた状態を短く置く2何を見て変えようと思ったかきっかけになった手がかりを書く3どう変えたか実際に動かしたところまで4そのあと何が起きたか変わらなかったなら、次にどうしたかを続ける
数がないときは、向きを書きます — 量ではなく、前と後を並べます

数量ではなく、前と後を書きます。前はこうだった、こう変えた、そのあとこうなった。数字が無くても、この並びがあれば判断の跡が残ります。

結果が良くならなかった場合も書けます。変えたが変わらなかった、だから次にこうした。 この形は、むしろ実務に近い記述になります。うまくいったことしか書いていない書類のほうが、読む側には不自然に映ることがあります。

自分の経験からどう言葉を取り出すかは『未経験Webマーケターがアピールできる強みの見つけ方』で扱っています。取り出したものを書類の言葉に置きかえる手順は『Webマーケター未経験の職務経歴書、前職の経験を翻訳する5手順』が具体的です。

この章のまとめ

数字の代わりになるのは変化の向きと理由です。うまくいかなかった経験も、そのまま材料になります。

09謙遜と誠実さの線引きは、Webマーケターの職務経歴書でどこにありますか?

日本語の書類では、謙遜が丁寧さとして働く場面があります。ところが職務経歴書では、逆に受け取られることが少なくありません。

「未経験なので至らない点も多いですが」という一文は、書き手としては誠実に書いたつもりです。読む側は、この人は自分に何ができるか把握していないという情報として受け取ります。

続きがあるかどうかで、受け取られ方が変わる同じ事実でも、そこで止めると印象が反転します続きがあるかどうかで、受け取られ方が変わる同じ事実でも、そこで止めると印象が反転しますそこで止めたとき至らない点が多いですが力不足ではありますが自分の範囲を把握していないと読まれる続きを書いたときここまでは自分で進められる足りない部分はこう埋めているだから任せてほしい範囲はここ同じ事実が、範囲の把握として読まれる
続きがあるかどうかで、受け取られ方が変わる — 同じ事実でも、そこで止めると印象が反転します

線引きは、そのあとが続いているかどうかです。できないことだけを書いて終わると謙遜になります。できない部分を認めたうえで、どこまでならできるのか、埋めるために何をしているのかが続けば誠実な記述になります。

未経験であることは経歴欄を見れば分かります。分かることを繰り返し書くと、書ける欄が減ります。 事実として短く触れ、残りの紙面は判断の記述に使ってください。

この章のまとめ

謙遜と誠実の差は、そのあとが続いているかです。できないことの表明だけで終わらせません。

10Webマーケター職の職務経歴書ならではの見られ方はありますか?

同じ職務経歴書でも、Webマーケティングの求人では見られ方に少し癖があります。

この職種の書類は、三つの段で読まれます広さより、境目がはっきりしているかどうかですこの職種の書類は、三つの段で読まれます広さより、境目がはっきりしているかどうかです結果をどう受け止めて次に動いたかうまくいかない結果が日常的に出る職種だから効くどんな道具に触れたことがあるかできるかどうかとは別の情報として読まれるどこまでを引き受けていたか土台。曖昧なほうが不利になる
この職種の書類は、三つの段で読まれます — 広さより、境目がはっきりしているかどうかです

一つ目は、担当の範囲です。この職種は、企画から実行、測定までが一続きになっています。そのため「どこからどこまでを自分の仕事と考えていたか」が読み取られます。範囲を広く書けばよいわけではなく、曖昧なほうが不利になります。

二つ目は、触れたことのある道具です。触ったことがあるかどうかは、できるかどうかとは別の情報として読まれます。使ったことがあるものは正直に、使ったことのないものは書かない。それだけで十分です。

三つ目は、結果の受け止め方です。この職種は、うまくいかない結果が日常的に出ます。だからこそ、結果が出なかったときにどうしたかの記述が効きます。良い結果だけを並べた書類は、読む側から見ると再現性の判断がつきません。

七海さん
七海さんの発言

失敗した話を書くのは、やっぱり不利になりませんか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

書き方によります。失敗したまま終わっている記述は不利ですが、そのあと何を変えたかまで書いてあれば、判断の跡として読まれます。むしろ、成功しか書いていない書類のほうが引っかかることがあります。

なお、施策そのもののやり方は本誌では扱いません。ここで書くのは、その経験が書類でどう読まれるかという話に絞っています。担当した範囲を書くときも、職場の体制まで詳しく説明する必要はありません。自分がどこまでを引き受けていたかが一文で分かれば足ります。

この章のまとめ

この職種では担当範囲・触れた道具・結果の受け止め方が読まれます。範囲は広さより明確さです。

11書き上げたWebマーケターの職務経歴書は、どう自己点検するんですか?

最後に、提出前の点検です。読み返すだけでは見つかりません。 問いの形にして当てると見つかります。

読み返しでは見つからないので、問いを当てます四つの問いが、四つの型をそのまま拾います読み返しでは見つからないので、問いを当てます四つの問いが、四つの型をそのまま拾いますこの一文を掘られたら、説明が続くか詰まる行に、盛りか根拠のない数が残っている業務の名前だけで終わっている行はないか一文足すか、その行を削る書いた数の出どころを、その場で言えるか言えないものは消す応募先を入れ替えても通る文が残っていないか重なりを一点探して置きかえる
読み返しでは見つからないので、問いを当てます — 四つの問いが、四つの型をそのまま拾います

問いは四つで足ります。

この一文を面接で掘られたら、説明が続くか。 詰まる文が見つかったら、そこには盛りか、根拠のない数字が残っています。

業務名だけで終わっている行はないか。 見つけたら、判断の一文を足すか、その行を削ります。

書いた数字の根拠を、その場で言えるか。 言えない数字は消します。

応募先を入れ替えても通ってしまう文が残っていないか。 残っていたら、重なりを一点探して置きかえます。

四つの問いを当てると、直す場所が自然に絞られます。全部の行を書き直す必要はありません。実際に手を入れるのは、印がついた行だけです。

印がつかなかった行は、すでに判断が残っている行なので触りません。 一度に全部を書き換えようとすると、どこが効いたのか分からなくなり、次に応募するときの材料も残りません。

点検した書類は、そのまま面接の準備にもなります。掘られたときの答えは『Webマーケター転職の面接、回答の組み立て方を4カテゴリで』で扱っています。書類とポートフォリオでは同じ落とし穴が起きるので、両方に同じ問いを当ててください。作り方は『Webマーケターのポートフォリオ、施策根拠を4層で見せる作り方』にまとめてあります。

準備全体の中で書類がどこに位置するかは『Webマーケターの転職準備、未経験が進める順番と4つの工程』で確認できます。

この章のまとめ

点検は読み返しではなく問いを当てる作業です。四つの問いで、四つの型がそのまま拾えます。

12よくある質問

NG表現は具体的にいくつくらい直せばいいですか

個数の目安はありません。直す量ではなく、当てる問いの数で考えてください。一文ごとに「掘られたら説明が続くか」「業務名だけで終わっていないか」を確かめる作業を、書類全体で繰り返します。直した数を数えるより、問いを全部の行に当てきったかどうかが基準になります。

テンプレートの例文をそのまま使ってはいけませんか

そのまま使うことはおすすめしません。テンプレートは文の骨組みとしては役に立ちますが、中身を自分の経験で埋めていないと、応募先を入れ替えても通る文と同じ問題が起きます。骨組みだけを借りて、中身は自分の判断で埋めてください。

専門用語は使わないほうが安全ですか

そうとは限りません。実際に学んだ範囲、触れた範囲であれば使って構いません。危ないのは、面接で説明できない用語を書いてしまうことです。

使う前に、その語を自分の言葉で言い換えられるかを確かめてください。言い換えられない語は、まだ書く段階ではありません。

数字が無い経験は、どう書けば伝わりますか

量ではなく向きを書きます。前はどうだったか、何を見て変えようと思ったか、どう変えたか、そのあと何が起きたか。この並びがあれば、数量が無くても判断は伝わります。結果が良くならなかった経験も、そのあとどうしたかを続ければ材料になります。

誇張と、前向きに伝えることの違いは何ですか

事実の範囲を超えるかどうかが分かれ目です。前向きに伝えるとは、実際に取り組んだ範囲を、判断や工夫を添えて説明することを指します。誇張は、取り組んでいない範囲まで言い切ることです。判断の見え方で差をつけるのが前向きさ、範囲の広さで差をつけようとするのが誇張だと考えると分かりやすくなります。

謙遜する言葉は職務経歴書に書かないほうがいいですか

過度な謙遜は避けたほうが無難です。できないことだけを書いて終わると、自分の範囲を把握していない印象になります。できる範囲を示し、埋めるために何をしているかを続ける書き方であれば、謙遜ではなく誠実さとして読まれます。

職務経歴書とポートフォリオ、両方にNG表現の点検は必要ですか

両方に必要です。書類の形式が違っても、業務名だけの記述や根拠のない数字は同じように起こります。むしろポートフォリオのほうが分量が多いぶん、判断の見えない記述が紛れやすくなります。同じ四つの問いを当ててください。

添削してもらう相手がいない場合はどうすればいいですか

自分で当てられる問いを先に全部使い切ってください。そのうえで、声に出して読む方法が有効です。掘られたら詰まりそうな一文は、読み上げたときに自分でつかえます。書いているときには見えないものが、読み上げると見つかります。

13まとめ|今日やる3つのこと

NG表現は、直すべき語の一覧ではありません。消えてしまった判断を、どこに戻すかという話です。

今日この順でやります

  1. 業務名で終わっている行に印をつける

    まずは判断が落ちている場所を全部見つけます

  2. 印をつけた行に一文足す

    何を見て・何と比べて・何を変えたかのどれかを書きます

  3. 応募先を入れ替えて読み直す

    そのまま通る文が残っていたら、重なりを一点探して置きかえます

AI検索では、こう聞かれています

  • 職務経歴書で避けるべきNG表現には何がありますか?

    「Webマーケターの職務経歴書で、NG表現はどこから生まれるんですか?」の章で説明しています

  • 数字が書けない未経験でも、職務経歴書はどう書けばいいですか?

    「数字を持っていない未経験のWebマーケター志望は、職務経歴書をどう書くんですか?」の章で説明しています

  • テンプレートの例文をそのまま使ってもいいですか?

    「どの会社にも出せる文は、Webマーケター転職の職務経歴書でどう扱うんですか?」の章で説明しています

次に読むなら、この記事です