01結論(数字の要点)

「SEOは時給いくら、広告運用は時給いくら」というスキル別の単価データを探している場合、WEBMARKSの社内集計にその内訳は存在しません。これは調査不足ではなく、集計そのものがスキル別に分かれていないためです。

社内にあるのは、スキルを横断した全体の単価データです。副業案件の時給が判明している14件の平均は2,207円で、この14件がSEO・広告運用・コンテンツ制作のどれに対応した案件かという内訳は記録されていません。他の単価・案件関連の数字も、同じように全体の集計にとどまっています。

この記事では、実際に存在するデータの範囲と、存在しないデータの範囲を切り分けます。存在しない内訳を推測で埋めることはしません。

02データの取得方法・対象範囲(2026年8月8日時点)

本記事の数字は、すべてWEBMARKS受講生・卒業生の実績を社内で集計した自社データです。本記事は2026年8月8日時点で、社内に蓄積されている集計を参照しています。

集計の単位は「案件」または「人」であり、「スキル」ではありません。1件の案件に、SEO・データ分析・コンテンツ制作など複数のスキルが同時に関わっているケースも多く、集計の段階でスキルごとに切り分けられていません。

この記事で扱う数字は、単価相場全体の実額データとしては『Webマーケターの単価相場、平均時給2,207円をどこまで信じていいか』で既に整理済みです。本記事はその同じデータを、スキル別に分解できるかという1点に絞って検証します。

03実額データ(表・図解)

WEBMARKSが保有する主な単価・案件関連データと、スキル別の内訳の有無を一覧にしました。

数字対象母数・期間スキル別の内訳
平均時給2,207円時給が判明している副業案件14件、2020年〜2025年無し
2案件以上の獲得70%以上案件獲得者対象人数非公表、2020年〜2025年無し
月収30万円以上が過半数案件獲得成功者200名、2023年卒・卒業後3か月時点無し
受注額 年間2億円規模受講生・卒業生全体会社全体の下限値集計無し
在宅ワーク対応81.5%案件獲得先38件中31件、2020年〜2025年無し
WEBMARKSが保有する単価・案件データの種類とスキル別内訳の有無を一覧にした図 平均時給・案件獲得数・月収・受注額規模・在宅ワーク対応率という5種類のデータについて、それぞれ母数・期間は記録されているが、スキル別の内訳は無いことを一覧で示す表。 保有データとスキル別内訳の有無 2026年8月8日時点の社内集計に基づく一覧 データの種類 母数・期間 スキル別内訳 平均時給2,207円 14件・20〜25年 無し 2案件以上獲得70%以上 人数非公表 無し 月収30万円以上が過半数 200名・23年卒 無し 受注額 年間2億円規模 会社全体・下限値 無し 在宅ワーク対応81.5% 38件中31件 無し 全項目に共通してスキル別の内訳は記録されていません。
WEBMARKSが保有する単価・案件データの種類と、スキル別の内訳が有るか無いかを一覧にした図

表のとおり、単価・案件に関する主要な数字は、すべて全体の集計であり、スキル別に分解した数字はありません。これは特定の数字だけの例外ではなく、社内データ全体に共通する制約です。

唯一、スキルに近い区分が存在するのは、転職支援実績における内定先の職種名です。SEOコンサルタント・Webディレクター・Webアナリスト・広告運用担当・コンテンツマーケターのように、単一の職種名で分かれて記録されています。この記録は2024年〜2025年に報告があった卒業生を対象にしています(出典: WEBMARKS転職支援実績集計)。ただしこれは人数の内訳が非公開で、単価や時給とは結びついていません。

職種名が分かれて記録されているという事実は、「Webマーケター」という1つの括りの中に、実務では別の職種として扱われる複数の専門領域が存在することを示しています。これは単価の高低を示す情報ではなく、案件・求人の現場で職種が区別されているという事実だけを示しています。この区別と単価データの不在を混同しないよう、記事の後半でも改めて注意点として触れます。

04数字の背景・注意点(母集団・集計条件)

社内データがスキル別に分かれていない背景には、集計の目的があります。これらの数字はもともと、受講生・卒業生全体の実績を把握するために集計されたものであり、スキル別の単価比較を目的に設計されたものではありません。

そのため、後からスキル別に読み替えようとしても、元データにその区分が存在しない以上、正確な数字は導き出せません。無理に按分したり、担当スキルを推測で当てはめたりする行為は、実態と異なる数字を作り出すことになります。

母数の小ささにも注意が必要です。平均時給2,207円は14件、案件獲得先の在宅ワーク対応81.5%は38件が対象です。仮にこれをスキル別に分割できたとしても、1スキルあたりの件数はさらに小さくなり、平均としての信頼性は下がります。

集計の対象期間にも幅があります。「2020年〜2025年」のように複数年にまたがる集計では、年ごとの市場の変化が均されてしまいます。スキル別に分けられないことと合わせて、年ごとの変化も見えにくいという制約が、この社内データにはあります。両方の制約を理解したうえで数字を使うと、実態とのズレを小さくできます。

05この数字をどう判断に使うか

スキル別の単価データが無い以上、「このスキルは時給いくら」という数字を根拠に意思決定することはできません。代わりに使える判断材料は、大きく2種類に分かれます。

1つ目は、社内にある全体の単価データです。スキルを問わない目安として、副業案件の時給水準や、案件を重ねた場合の収入の傾向を知ることはできます。実務スキル全体が案件・年収にどうつながるかという地図は『Webマーケターのスキルは、案件と年収にどうつながるか』で整理していますので、あわせて確認してください。

2つ目は、スキルごとの構造的な判断材料です。数字では示せなくても、契約の継続性や成果の見え方といった構造の違いから、単価が伸びやすい条件を考えることはできます。SEOと広告運用の構造比較は『SEOと広告運用、どちらのスキルの方が単価が伸びやすいか』で扱っています。他のスキル領域についても、同じ考え方で構造を比較できます。

単価判断に使える情報源とそれぞれから得られる確からしさの違い 自社の全体単価データ・スキルごとの構造的判断材料・職種名の分かれ方という3つの情報源について、断定できる確からしさの度合いをバーの長さで示した図。いずれも高いとまでは言えない確からしさである点を示す。 情報源ごとの確からしさ 自社の全体単価データ スキル問わず確度は高い スキルの構造的な判断材料 傾向の参考程度 職種名の分かれ方 区分の事実のみ・単価根拠なし 横軸:単価判断に使える確からしさ(低い→高い) 目安の一覧です。いずれもスキル別単価を断定する根拠にはなりません。
単価判断に使える情報源と、それぞれから得られる確からしさの違いを示す図

社内の全体データと、スキルごとの構造的な判断材料を組み合わせることで、「断定はできないが、根拠のある目安」を持つことができます。存在しないデータを補うために、他社の数字や根拠のない相場観を断定的に使うことはおすすめしません。

案件の提案や契約の場面で単価を説明するときも、同じ姿勢が役立ちます。「このスキルの相場はいくらです」と言い切るのではなく、自分がこれまで対応してきた範囲と結果を具体的に示すほうが、根拠のない相場観より説得力を持ちます。スキルシートでの実務レベルの表現方法は『スキルシートの実務レベル表現、Webマーケターの書き方』でも扱っています。

06FAQ

SEOコンサルタントの単価相場を知りたいのですが、データはありますか

WEBMARKSの社内集計には、SEOコンサルタントに限定した単価データはありません。あるのは、スキルを問わない全体の単価データと、転職支援実績における職種名の記録だけです。職種名としてSEOコンサルタントが記録されている事実はありますが、単価とは結びついていません。

今後、スキル別の単価データは公開されますか

本記事は2026年8月8日時点の社内データを参照しています。集計の設計が変われば、将来的にスキル別の内訳が把握できるようになる可能性はありますが、現時点でその予定は確認できていません。

スキル別のデータが無いなら、この記事にしかない情報は何ですか

「WEBMARKSの主要な単価・案件データにスキル別の内訳が存在しない」という事実そのものが、この記事の一次情報です。存在しないことを確認するために、社内の主要データを1件ずつ照合しました。

外部の調査データを使えば、スキル別の単価は分かりますか

外部の調査データを参照する場合は、その調査の母数・対象範囲・調査時期を確認したうえで、WEBMARKSの自社データとは出所が異なる情報として扱う必要があります。本記事は自社データの範囲内で断定できることとできないことを整理するものであり、外部データの検証は対象外です。

スキルを組み合わせると単価は上がりますか

『SEOと広告運用、どちらのスキルの方が単価が伸びやすいか』でも触れているとおり、兼務スキルと単価を直接結びつけた集計は社内にありません。案件獲得者の70%以上が2案件以上を獲得しているというデータはありますが、これは案件数の実測であり、単価の上昇を示すものではありません。

職種名が分かれているなら、単価も職種ごとに違うのではないですか

職種として区別されて評価されている事実と、単価が職種ごとに異なるという事実は、別の話です。前者はデータで確認できますが、後者を裏付ける社内データは現時点でありません。両者を混同しないよう注意してください。

この記事の内容は、次に何をすれば更新されますか

社内の集計方法にスキル区分が追加された場合、または新しい調査を実施した場合に、本記事の内容を見直す予定です。freshnessを watch に設定しているのは、この理由によります。データの状態そのものが変わりやすい記事のため、他の記事より高い頻度で見直しの対象になります。