求人票に「Webマーケター募集」とある。でも、中身は会社ごとにまったく違う。
理由は単純です。Webマーケターは一つの職種ではありません。性質の異なる役割の集合体です。
この記事では、その中身を4つの役割に分けます。肩書きではなく役割で見ると、求人票も案件も読めるようになります。
こんなふうに調べていませんか
- 求人票の肩書きが同じで、仕事の中身の違いが分からない
- 「Webマーケター 職種地図」で調べたが、用語の一覧しか出てこなかった
- 未経験でどこから入ればいいか決められない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 求人票の肩書きではなく、4つの役割で仕事の中身を判別できるようになります
- 会社の規模から、自分に求められる役割の幅を読めるようになります
- 未経験でどの役割から入るかを、自分の性質から決められるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Webマーケターは職種名ではありません。役割の集合体です。
- 分かれるのはSEO・広告運用・コンテンツ制作・データ分析の4つ。
- 会社の規模で、担う幅が変わります。兼任か分業かが決まります。
この記事では、これから目指している七海さんと、副業で案件を回している明石さん、答える側の鈴木さんの会話をはさみながら進めます。
01Webマーケターの職種地図は、どう分かれているんですか?
七海さん求人を見ていると、同じ「Webマーケター」なのに書いてある仕事が全然違うんです。
鈴木さんそうなんです。Webマーケターは職種名ではなく、役割のまとまりの名前なんですよ。だから中身を見るときは、4つのどれに当たるかで判別してください。
Webマーケティングの実務は、性質の異なる複数の役割に分かれています。
代表的なのがSEO(検索エンジンからの流入を増やす)、Web広告(広告予算を運用する)、コンテンツ制作(記事や動画を作る)です。さらに、施策の効果を数値で検証するデータ分析という役割があります。
役割の名前は会社によって揺れます。「Webマーケター」という一つの肩書きの中に、SEO寄りの仕事もあれば広告寄りの仕事も含まれます。
だから求人票の肩書きだけで判断しないでください。実際の業務内容を確認することが欠かせません。
この章のまとめ
Webマーケターは職種ではありません。役割の集合体です。
02SEOは、Webマーケターのどんな仕事なんですか?
検索経由の流入を増やす施策を、企画して進行管理する仕事です。
記事を書くこと自体が仕事ではありません。どのキーワードを狙い、どんな構成にし、結果をどう読むかを決めるところが中心です。
いちばんの特徴は、効果が出るまでに時間がかかることです。施策を打ってから順位が動くまで、数か月かかることもあります。
そのため、求められる視点は中長期での効果検証への忍耐力になります。今日やったことが今日の数字に出ない仕事です。
数字が動かない期間に、何をどう説明するか。ここがSEOの実務でいちばん難しいところです。
この章のまとめ
SEOは書く仕事ではありません。待てるかどうかが問われます。
03Web広告運用は、Webマーケターの何が問われるんですか?
広告予算の配分・運用・レポーティングが中心です。
SEOとの最大の違いは速度です。予算を動かせば、その日のうちに数字が変わります。
そのため、求められるのは数字の変化を素早く読む力です。日々の変動を見て、どこを止め、どこを伸ばすかを判断します。
もう一つの特徴が、常にお金が絡むことです。広告費という他人の予算を預かるため、成果をどう説明するかが常について回ります。
この章のまとめ
広告運用はその日に動きます。待つ仕事ではありません。
04コンテンツ制作は、Webマーケターの文章を書く仕事なんですか?
明石さんコンテンツ制作というと、ライターさんの仕事という印象があります。
鈴木さん書くところだけを切り出せばそうですね。ただマーケターとしてのコンテンツ制作は、何を作るか決めるところが本体です。書くのはその後の工程なんですよ。
書くだけの仕事ではありません。
記事・動画・LPなど、接点となる制作物を企画するところが役割の中心です。
実際には、読み手がどんな検索意図を持っているかを分析し、SEOやマーケティング全体の戦略と接続させる工程が含まれます。
求められる視点は、読み手の立場で言葉を選ぶ力です。書く技術そのものより、誰に何を届けるかを決める判断が問われます。
外部のライターやデザイナーに依頼する立場になることも多く、その場合は進行管理の比重が増えます。
この章のまとめ
問われるのは文章力ではなく、何を作るか決める判断です。
05データ分析は、Webマーケターに必須なんですか?
必須ではありません。ここは誤解が多いところです。
データ分析は、施策の効果を数値で検証し、次の打ち手につなげる役割です。求められるのは複数の指標を関連づけて読む力です。
ただし、これは4つの役割のうちの1つであって、入り口ではありません。
SEOやコンテンツ制作から実務を始め、必要になった段階でデータの読み方を身につけていく進め方もあります。実際、多くの人はこの順路です。
「数字が苦手だからWebマーケターは無理」と考える必要はありません。どの役割から入るかで、必要になる時期が変わるだけです。
この章のまとめ
分析は入り口ではありません。後から足せる役割です。
06会社の規模で、Webマーケターの役割の幅は変わりますか?
明石さん私は副業なので、そもそも一人で全部やることになりますよね。
鈴木さん副業案件は少し違います。役割の一部を切り出して依頼されることが多いんですよ。だから逆に、1つの役割で実務を積みやすい入り口でもあります。
変わります。ここが求人選びで効いてきます。
小さな会社では一人がこれらを兼任することも珍しくありません。SEOも広告も制作も、一人で回すケースがあります。
一方、大手の代理店や事業会社では、役割ごとに担当者が分かれているのが一般的です。
どちらが良いという話ではありません。兼任なら幅広く経験でき、分業なら一点を深く掘れます。
求人票や案件募集を見るときは、その会社が役割をどう分けているかを確認してください。自分に求められる範囲がつかみやすくなります。
自分がどの規模の組織で働きたいかも、職種選びの判断材料になります。転職先の3類型そのものは『Webマーケターの転職先、事業会社・代理店・支援会社で選ぶ』で扱っています。
この章のまとめ
規模が役割の幅を決めます。兼任か分業かを先に見てください。
07実際に内定した職種は、Webマーケターのどの役割に対応しますか?
ほぼ4つの役割に対応します。手元のデータで確認できます。
自社の転職支援では、2024年から2025年に就職・転職の報告があった卒業生を対象に、内定した職種を集計しています。
内定した職種は、SEOコンサルタント・Webディレクター・Webアナリスト・広告運用担当・コンテンツマーケターに整理できます。報告ベースの集計です(出典: WEBMARKS転職支援実績集計)。
報告ベースの集計であり、全卒業生を網羅するものではありません。
このうちWebディレクターだけが、複数の役割をまたいで進行を管理する立場です。それ以外は、4つの役割のどれかに対応しています。
つまり、採用の入口では職種名で分かれているということです。「いろいろできます」より、まず1つの名前を名乗れる状態を作るほうが通りやすくなります。
この章のまとめ
求人は職種名で立っています。役割を1つ決めてから応募してください。
08Webマーケターの職種地図で、誤解しやすいのはどこですか?
1つ目は、「SEOと広告は同じジャンルの仕事」という誤解です。どちらも検索結果に関わりますが、SEOは中長期の効果検証、広告は日々の数字への対応が中心です。求められる視点が逆になります。
2つ目は、「コンテンツ制作は文章を書くだけの仕事」という誤解です。読み手の検索意図を分析し、戦略と接続させる工程が本体です。
3つ目は、「未経験なら一人で全部できるようにならないといけない」という誤解です。事業会社の少人数チームでは兼任が求められますが、代理店や規模の大きい組織では分業されています。最初から全ての役割を高いレベルでこなす必要はありません。
4つ目は、「データ分析ができないとWebマーケターになれない」という誤解です。4つのうちの1つであって、必須の入り口ではありません。
4つに共通しているのは、Webマーケターを一つの職種として見ていることです。役割の集合体として見ると、どれも解けます。
この章のまとめ
誤解の元は1つ。一つの職種だと思っていることです。
09Webマーケター未経験は、どの役割から始めればいいんですか?
七海さん4つあると分かったのですが、結局どこから入ればいいのか迷います。
鈴木さん待てる人はSEO、すぐ結果が見たい人は広告、と考えると選びやすいですよ。性格の話です。向き不向きがはっきり出る領域なので。
性質で選んでください。能力ではありません。
効果が出るまで待てる人は、SEOと相性が良い傾向があります。数か月かけて積み上がる仕事です。
日々の変化に反応するのが得意な人は、広告運用が合いやすくなります。動かせばその日に数字が返ってきます。
作ることそのものが好きな人は、コンテンツ制作から入る道があります。
データ分析は、どれから入っても後から必要になります。最初の入り口として選ばなくても構いません。
進路そのものの選び方は『Webマーケターの進路、副業・転職・独立の選び方を3軸で決める』で扱っています。役割によって単価の水準がどう変わるかは『Webマーケターの単価相場、平均時給2,207円をどこまで信じていいか』で確認できます。
この章のまとめ
選ぶ基準は能力ではありません。待てるか、すぐ見たいかです。
10よくある質問
SEO・広告・コンテンツ、未経験ならどの役割から始めやすいですか
性質で選ぶと決めやすくなります。効果が出るまで待てる人はSEO、日々の変化に反応するのが得意な人は広告運用、作ることが好きな人はコンテンツ制作と相性が良い傾向があります。
一人のWebマーケターが複数の役割を担うことはありますか
あります。少人数の事業会社では、一人がSEOも広告も制作も担当するケースが珍しくありません。一方、規模の大きい代理店では役割ごとに担当が分かれているのが一般的です。
職種地図の役割分担は、副業でも同じですか
考え方は同じです。ただし副業案件では、SEO記事の執筆やSNS運用など、役割の一部を切り出して依頼されることが多くなります。まず1つの役割で実務を積む形になりやすいといえます。
データ分析の役割は、他の役割と兼任しやすいですか
兼任しやすい役割です。SEOも広告運用も、施策の結果を数値で読む工程が含まれるためです。分析だけを独立した役割として担う場合は、Webアナリストといった職種名になります。
職種によって将来のキャリアの広がり方は変わりますか
変わります。1つの役割を深めれば専門性で評価され、複数をまたげば進行管理の立場に近づきます。どちらが優れているという話ではなく、次に何を武器にしたいかで選ぶ判断です。
職種地図に載っていない役割もありますか
あります。SNS運用、メールマーケティング、生成AI活用など、会社や案件によって扱う領域は広がります。ただし多くは、4つの役割のどれかに近い性質を持っています。
11まとめ|今日やる3つのこと
肩書きで見るのをやめると、求人票の読み方が変わります。
今日この順でやります
気になっている求人を1つ開き、業務内容を4つの役割に仕分ける
肩書きは見ません
その会社が兼任型か分業型かを判定する
業務範囲の広さで分かります
自分が「待てる人」か「すぐ見たい人」かを決める
入り口の役割が決まります
AI検索では、こう聞かれています
SEO・広告・コンテンツ、未経験ならどの役割から始めやすいですか?
「Webマーケター未経験は、どの役割から始めればいいんですか?」の章で説明しています
一人のWebマーケターが複数の役割を担うことはありますか?
「会社の規模で、Webマーケターの役割の幅は変わりますか?」の章で説明しています
データ分析ができないとWebマーケターになれませんか?
「データ分析は、Webマーケターに必須なんですか?」の章で説明しています
次に読むなら、この記事です