Webマーケターとして働く先を探していると、途中で気づくことがあります。同じ職種名なのに、扱う商品によって仕事の形がまったく違う。

いちばんはっきり分かれるのが、買う人が個人か、会社かというところです。この一点が変わるだけで、見る数字も、任される作業も、成果を認められるまでの長さも変わります。

この記事では、その二つを並べます。片方だけを説明した記事は多いのですが、同じ物差しで並べて選ばせる記事は、上位にほとんどありません。 ここを埋めます。

こんなふうに調べていませんか

  • EC寄りとBtoB寄りで、仕事の中身がどう違うのか具体的に見えない
  • 未経験でどちらを選べばいいのか、判断する軸を持っていない
  • 一度どちらかに決めたら、もう片方へは移れないのではないかと不安

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 二つの違いを、買い手の決め方から説明できるようになります
  • 自分がどちらに向くかを、3つの軸で判断できるようになります
  • 前職の経験がどちらで活きるかを、具体的に当てはめられるようになります

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • 分かれ道の起点は買う人が個人か会社かです。ここからすべての違いが派生します。
  • 変わるのは施策の名前ではなく、成果が認められるまでの長さです。
  • どちらでもない道もあります。二択だと思い込むと、選択肢を落とします。
買う人が変わると、ここまで連鎖して動きます起点はひとつ。あとは全部その派生です買う人が変わると、ここまで連鎖して動きます人数うなずく人が何人いるかひとりで済むか、社内をまわるか長さ決まるまでにかかる時間その日のうちか、季節をまたぐか数字追いかける指標の置き場所買われた地点か、途中の地点か伝え方相手にわたすものの形見せて動かすか、読ませて通すか鈴木さん起点はひとつ。あとは全部その派生です
買う人が変わると、ここまで連鎖して動きます — 起点はひとつ。あとは全部その派生です

以降は、目指している最中の七海さんと、案件を持っている明石さん、答える側の鈴木さんの会話を挟みながら進みます。

01ECとBtoB、Webマーケターの職種選びはどこで分かれるんですか?

七海さん
七海さんの発言

ECとBtoBの違いというと、扱う商品が違うということでしょうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

商品も違いますが、効いてくるのは買う人の決め方です。ここが変わると、仕事の形が全部変わるんですよ。

分かれ道の起点は一つです。買うのが個人か、会社か。

個人が買うとき、決めるのはその人自身です。気に入れば数分で決まります。値段が手ごろなら、深く考えずに買うこともあります。

決める人が一人で、決まるのが速い。

会社が買うとき、決めるのは一人ではありません。使う人、決裁する人、経理を見る人。それぞれの承認が要ります。決める人が複数で、決まるまでに時間がかかる。

決めるのがひとりか、まわりも要るか同じ商品でも、この一点で仕事の形が変わります決めるのがひとりか、まわりも要るか同じ商品でも、この一点で仕事の形が変わりますひとりで決まるとき使う人が払う人と同じその場で気持ちが動く迷えばその場で離れる背中を押す仕掛けが効くまわりの承認が要るとき使う人と払う人が別社内で通す理由が要る選び違えると責任の話になる通すための材料が効く
決めるのがひとりか、まわりも要るか — 同じ商品でも、この一点で仕事の形が変わります

ここから先は、全部この違いの派生です。決まるのが速いなら、成果もすぐ数字に出ます。 遅いなら、成果が出るまで別のもので進み具合を測ることになります。

気持ちで決まるなら、見せ方が効きます。 説明が要るなら、資料と根拠が効きます。

施策の名前は、どちらもよく似ています。 検索からの集客も、広告も、記事の制作も、両方で使います。違うのはその施策が何を目指しているかのほうです。

この章のまとめ

分かれ道の起点は一つ。決める人が一人か、複数かです。

02EC特化の案件では、毎日どんな数字を見ているんですか?

明石さん
明石さんの発言

副業で通販の案件を受けたとき、翌日には数字が変わっていて驚きました。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこがこの領域の面白さですね。試して、確かめて、また試す。この回転が速いんですよ。

EC寄りの仕事では、数字がその日のうちに返ってきます。

見ている数字は、買うまでの道すじに沿って並んでいます。

サイトに来た人の数。商品のページまで来た人の数。買い物かごに入れた人の数。実際に買った人の数。

この並びのどこで人が減っているかを見て、減っている場所を直します。

減っている場所を探して、そこを直します直した結果が翌日には返ってくる回転の速さがあります減っている場所を探して、そこを直します直した結果が翌日には返ってくる回転の速さがあります1たどりつくどこから来たかで質が変わる2品物を見る写真と説明の並びが効く3かごへ入れるここで止まる理由は値段とは限らない4支払う手続きの手間で離れることがある5もう一度買う新しく集めるより費用がかからない
減っている場所を探して、そこを直します — 直した結果が翌日には返ってくる回転の速さがあります

この仕事のやりやすさは、直した結果がすぐ分かるところにあります。今日ページを直せば、明日には数字が返ってきます。試して、確かめて、また試す。この回転が速い領域です。

やりにくさは、季節と在庫に振り回されるところです。売れる時期と売れない時期があり、在庫が無ければ売る施策そのものが打てません。自分の施策とは関係のない理由で、数字が動きます。

もうひとつ、一度買った人にもう一度買ってもらうという仕事があります。新しい人を集めるより、この方が費用がかからないことが多いため、ここに力を入れる会社が増えています。

この章のまとめ

EC寄りの数字はその日に返ります。 ただし季節と在庫という、自分では動かせない要因が乗ります。

03BtoB特化の案件では、毎日どんな数字を見ているんですか?

BtoB寄りの仕事では、買われるまでの時間が長いという前提から入ります。問い合わせがあってから契約に至るまでに、数か月かかることも珍しくありません。

すると困ることが起きます。成果が出るまで待っていたら、自分の仕事が正しいのか分からない。 そこで、途中の段階を数字にして進み具合を測ります。

契約は遠いので、途中に目印を置きます最後の一歩は営業の手にわたります契約は遠いので、途中に目印を置きます最後の一歩は営業の手にわたりますはじめ資料を受け取ってもらう会社名と担当者名がここで残るしばらく情報を届け続けるすぐ商談になる相手は多くない動いたら話を聞きたいと言われるここまでがマーケター側の範囲そのあと営業の手にわたる渡す線引きは一緒に決める
契約は遠いので、途中に目印を置きます — 最後の一歩は営業の手にわたります

測る場所は、道のりの途中に置かれます。

資料を受け取った人の数。話を聞きたいと言った人の数。実際に会えた数。見積もりまで進んだ数。

最後の契約は、営業の担当が決める領域です。

ここがEC寄りとの最大の違いです。最後まで自分で見届けられません。 自分が集めた問い合わせが、そのあと営業の手に渡ります。だから、営業の人と話す時間が仕事に組み込まれます。

もうひとつの特徴が、数が少ないことです。個人向けなら一日に何百件も動きますが、会社向けでは月に数十件ということもあります。数が少ないと、一件ごとの中身を見る比重が上がります。

この章のまとめ

BtoB寄りでは途中の段階を数字にします。 最後まで自分で見届けられないのが前提です。

04ECとBtoBで、Webマーケターが向き合う買い手はどう違うんですか?

買い手の違いを、もう少し細かく見ておきます。ここが分かると、施策の選び方が変わります。

買い物のときに起きていることの違い人数だけでなく、間違えたときの重さも違います買い物のときに起きていることの違い人数だけでなく、間違えたときの重さも違います自分の財布で買うとき会社のお金で買うとき欲しいと思った瞬間に決まる使う人が社内へ持ち帰る迷ったらその場で離れる迷ったら比較の表を作りに戻る失敗しても痛むのは自分だけ選び違えると社内で責任の話になる気持ちで決めてよい決めた理由を言葉にする必要がある
買い物のときに起きていることの違い — 人数だけでなく、間違えたときの重さも違います

個人が買うとき。 使う人と決める人と払う人が、同じ一人です。だから「欲しい」と思った瞬間に話が終わります。

逆に、迷いが生まれるとその場で離れます。背中を押す仕掛けが効くのはこのためです。

会社が買うとき。 使う人と決める人と払う人が、別々です。使う人がどれだけ気に入っても、決める人が納得しなければ進みません。だから、使う人が社内で説明するための材料が要ります。

この構造から、BtoB寄りの仕事では資料を作る比重が上がります。 比較の表、導入した会社の話、費用の内訳。これらは、使う人が社内で使う道具です。

もうひとつ、間違えたときの重さが違います。個人が買い物で失敗しても、痛いのはその人だけです。会社が選び間違えると、社内で責任の話になります。慎重になる理由があるという前提で施策を組みます。

この章のまとめ

違うのは人数だけではありません。使う人と決める人が別であることと、間違えたときの重さが効いています。

05ECの現場でマーケターは、実際にどんな作業を任されるんですか?

上位の解説では、この部分が「スキル」という言葉でまとめられています。実際に任される作業まで下ろします。

通販の側で、実際に手が動く場所触る回数が多く、扱う範囲も広くなります通販の側で、実際に手が動く場所触る回数が多く、扱う範囲も広くなります1品物の見せ方を組み替える写真の並び、説明の順、値段の出し方2値付けと時期を決める他の領域では触らない部分に手が届く3出している場所の広告を回す自社の外に売り場を持つと増える4売り出しの企画を立てる催しそのものを作る場面が多い5減った場所を見て次を決める翌日には手ごたえが返る
通販の側で、実際に手が動く場所 — 触る回数が多く、扱う範囲も広くなります

商品のページを直す。 写真の並び、説明の順番、値段の見せ方。ここは触る回数がいちばん多い作業です。

価格と時期を決める。 他社がいくらで出しているか、どの時期に安くするか。この判断に関わるのがEC寄りの特徴です。他の領域では価格に触らないことが多いのですが、ここでは施策の一部になります。

出品している場所の広告を回す。 自社サイトだけでなく、大きな買い物の場に出している場合、その場の広告の仕組みを扱います。

販促の企画を立てる。 季節の催しや、限定の売り出し。企画そのものを作る場面が多いのもこの領域です。

数字を見て次を決める。 前に書いた道すじのどこで減っているかを見て、次に触る場所を決めます。

作業の幅が広いのが特徴です。一人で複数の作業を回すことになりやすいと思っておいてください。

この章のまとめ

EC寄りは作業の幅が広い領域です。価格や企画にまで手が及びます。

06BtoBのWebマーケターは、実際にどんな作業を任されるんですか?

こちらは、作業が積み上がる形で並びます。下の段が無いと上の段が機能しない、という関係です。

会社向けの仕事は、下から積み上がります下の段が空いていると、上の段は機能しません会社向けの仕事は、下から積み上がります下の段が空いていると、上の段は機能しません営業へわたす線引きの話し合いが比重を占める話を聞く気になってもらう時間をかけて届け続ける工程連絡先を残してもらうこの段の設計が仕事の中心になる読んでもらう判断の材料が要るので分量が増える名前を知ってもらう検索、業界の媒体、展示の場
会社向けの仕事は、下から積み上がります — 下の段が空いていると、上の段は機能しません

いちばん下が、知ってもらう作業。 検索からの流入、業界の媒体への露出、展示会。名前を知られていない会社は、ここから始まります。

その上が、読んでもらう作業。 記事や資料を作ります。分量が多くなりがちなのがこの領域の特徴です。判断する材料が要るからです。

その上が、連絡先を残してもらう作業。 資料と引き換えに、会社名と担当者名をもらいます。この段の設計が、BtoB寄りの中心的な仕事になります。

その上が、話を聞く気になってもらう作業。 連絡先をもらってすぐに商談へ進む会社は多くありません。時間をかけて情報を届け続ける工程が入ります。

いちばん上が、営業へ渡す作業。 どの状態になったら渡すのかという線引きを、営業と一緒に決めます。この線引きの話し合いが、実務では大きな比重を占めます。

明石さん
明石さんの発言

営業の人と話す時間が、そんなに多いんですか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

多いですね。渡す線引きが合っていないと、両方が不満を持つので。ここを決めるのはマーケターの仕事のうちなんですよ。

この章のまとめ

BtoB寄りは積み上がる形です。営業との線引きを決めることが、仕事の中に入ります。

07業界によって、EC案件のマーケターの仕事はどう変わるんですか?

上位の解説で一件だけがこの視点を持っていました。実務で効くところなので、置いておきます。

EC寄りの仕事は、扱う商品によって形が変わります。 変わり方には規則があって、1回の金額と買う頻度の2つで説明がつきます。

扱う品物で、仕事の重心が動きます業界名で覚えるより、この二つの軸で見ます扱う品物で、仕事の重心が動きます業界名で覚えるより、この二つの軸で見ます比べられる前提で作る家具や家電。他社との違いの見せ方が中心説明の分量が増える肌や体に関わる品物。記事や動画が効く時期に山ができる季節の品や贈り物。準備が前倒しになる続けてもらう仕組みが中心食品や日用品。新規より再来が効く一度に払う額 →(小さい / 大きい)買う頻度 →(たまに / 何度も)
扱う品物で、仕事の重心が動きます — 業界名で覚えるより、この二つの軸で見ます

金額が小さく、何度も買う商品。 食品や日用品がここに入ります。一度買った人にもう一度買ってもらう仕組みが中心になります。新しい人を集める作業より、続けてもらう作業の比重が上がります。

金額が小さく、たまにしか買わない商品。 季節の品物や贈り物がここに入ります。買う時期が集中するので、その時期に向けた準備が仕事の山になります。

金額が大きく、何度も買う商品。 化粧品や健康に関わる商品の一部がここに入ります。説明する分量が多くなり、記事や動画を使う場面が増えます。

金額が大きく、たまにしか買わない商品。 家具や家電がここに入ります。比べられる前提で作るので、他社との違いをどう見せるかが中心になります。

服や装身具は、金額の幅が広く、季節でも動くため、この4つをまたぎます。業界の名前で覚えるより、この2つの軸で見てください。

この章のまとめ

業界名で覚えないでください。1回の金額と買う頻度の2つで、仕事の形は説明がつきます。

08ECとBtoBで、Webマーケターの職種選びに使う軸は何ですか?

七海さん
七海さんの発言

結局、どちらを選べばいいのか決められません。

鈴木さん
鈴木さんの発言

決められないのは、軸が多すぎるからかもしれません。効く軸は3つだけです。残りは選んだあとで調整できますよ。

ここまでの違いを、選ぶための軸に落とします。使える軸と、使えない軸があります。

選ぶときに効く軸と、迷いを増やす軸軸が多いから決まらないので、三つに絞ります選ぶときに効く軸と、迷いを増やす軸軸が多いから決まらないので、三つに絞ります結果が返るまでの長さへの耐性合っていないと続けるのが苦しい人と調整する時間への感じ方会社向けは話す時間が長い企画そのものを立てたい気持ち通販の側は作る場面が多いどちらが儲かるかという見方単価の作られ方が違うだけどちらに将来があるかという見方判断が止まるだけで前に進まない
選ぶときに効く軸と、迷いを増やす軸 — 軸が多いから決まらないので、三つに絞ります

効く軸は3つです。

1つめ、成果が返るまでの長さに耐えられるか。 今日の仕事が今日の数字に出ないと落ち着かない人は、EC寄りが合います。長く見て積み上げるほうが性に合う人は、BtoB寄りが合います。

2つめ、関わる人の数をどう感じるか。 BtoB寄りでは、営業や社内の別部門と話す時間が長くなります。人と調整することが負担な人は、EC寄りのほうが手数が少なくなります。

3つめ、自分で企画を立てたいかどうか。 EC寄りでは、催しや売り出しの企画そのものを作る場面が多くなります。決まった型を丁寧に回すほうが得意な人は、BtoB寄りのほうが向きます。

効かない軸も書いておきます。

どちらが儲かるか。 単価の作られ方が違うだけで、一律にどちらが高いとは言えません。EC寄りは短い期間の成果に応じた形、BtoB寄りは契約が続くことによる積み上げの形になりやすい、という違いです。

どちらが将来性があるか。 どちらも無くなりません。将来性で選ぼうとすると、判断が止まります。

どちらが簡単か。 難しさの種類が違うだけです。

この章のまとめ

効く軸は3つ。待てるか、人と調整できるか、企画を立てたいか。 儲かるかどうかでは選べません。

09前職の経験は、ECとBtoBのWebマーケター職種選びにどう効きますか?

前職は判定材料ではありませんが、入り口を軽くする材料にはなります。

前の仕事は、どちらかに寄って効きます重なりの部分は、業種を問わず持ち越せます前の仕事は、どちらかに寄って効きます重なりの部分は、業種を問わず持ち越せます通販の側で効く経験会社向けで効く経験店頭で人が何を見るか/言葉にされない不満に気づく/季節で動く商いの感覚会社が何をどう決めるか/社内を通す手順/数のずれに気づく細かさどちらでも効くどちらでも効く : 相手の困りごとを言葉にした経験共通の輪は前の職種を問いません。ここは業種をまたいで持ち越せます。
前の仕事は、どちらかに寄って効きます — 重なりの部分は、業種を問わず持ち越せます

小売や飲食で働いた経験。 目の前の人が何を見て買うかを、体で知っています。EC寄りの商品ページを直す作業に、そのまま結びつきます。

法人向けの営業経験。 会社が何をどう決めるかを知っています。BtoB寄りで、営業に渡す線引きを決める場面で強くなります。

事務や経理の経験。 決まった手順を崩さず回す力と、数字のずれに気づく力。どちらの領域でも効きますが、件数が少なくて一件ずつ見るBtoB寄りで、より活きます。

接客の経験。 言葉にされていない不満に気づく感覚。EC寄りで、どこで離れているかを考える前の仮説になります。

技術寄りの経験。 サイトの仕組みが想像できるので、計測の設定や、サイトの直し方の話が早く通じます。どちらでも効きます。

共通して効くのが、相手の困りごとを言葉にした経験です。業種を問わず、ここは持ち越せます。

前職ごとの活かし方をもう一段細かく見たい場合は『元営業・元事務・元エンジニア、Webマーケター適性の違い』で扱っています。

この章のまとめ

前職は判定材料ではなく入り口を軽くする材料です。共通して効くのは、困りごとを言葉にした経験です。

10ECとBtoBに向いている人は、Webマーケターとしてどう違うんですか?

上位の記事の多くが、それぞれの領域で「向いている人」を挙げています。並べて比べられる形にしておきます。

力を出しやすい場所は、性格で分かれます当てはまらないから向いていない、とは読みません力を出しやすい場所は、性格で分かれます当てはまらないから向いていない、とは読みません通販の側で伸びやすい小さな直しを積み重ねられる数字が動くのを見るのが好き品物そのものに興味を持てる手を動かす回数が多い会社向けで伸びやすい説明の道すじを組み立てられる人と調整するのが負担にならない結果が見えるまで待てる書く分量が多い
力を出しやすい場所は、性格で分かれます — 当てはまらないから向いていない、とは読みません

EC寄りで力を出しやすい人。 小さな改善を積み重ねることが苦にならない人。数字が動くのを見るのが好きな人。商品そのものに興味を持てる人。

手を動かす回数が多い領域なので、細かい作業を続けられることが効きます。

BtoB寄りで力を出しやすい人。 説明の道すじを組み立てるのが好きな人。人と話して調整することを負担に感じない人。成果が見えるまで待てる人。

資料を作る分量が多いので、書くことへの抵抗が小さいほうが楽になります。

ただし、この分類に当てはまらないから向いていない、という読み方はしないでください。 前の記事にも書いたとおり、特徴の一覧は判定ではなく、苦しくなりやすい場面の地図です。

適性そのものの確かめ方は『未経験からWebマーケターを目指す前に確認する適性チェック』で扱っています。

この章のまとめ

違いは手を動かす回数と待つ時間の長さです。どちらが優れているという話ではありません。

11ECとBtoBの職種選びで、Webマーケターがよくする誤解は何ですか?

上位の記事のうち一件が、誤解の章を持っていました。実務で見かけるものも足して並べます。

よく聞く思い込みは、この四つです遅いことを、地味だと読み替えているだけのことがありますよく聞く思い込みは、この四つです遅いことを、地味だと読み替えているだけのことがあります会社向けは地味で動きが少ない動きが少ないのではなく周期が長い通販の側は経験がなくてもすぐ入れる入り口は広いが扱う範囲が広い一度決めたらもう変えられない手順は共通なので学び直しにならない片方に絞らないと専門性がつかない両方を知る人だけが出せる比較がある
よく聞く思い込みは、この四つです — 遅いことを、地味だと読み替えているだけのことがあります

「BtoBは地味で、動きが少ない」。 動きが少ないのではなく、動く周期が長いだけです。ひとつ動いたときの金額は大きく、その分だけ関わる人も多くなります。静かなのではなく、遅いのです。

「ECは入り口が広い」。 入り口が広いのは事実ですが、作業の幅が広いので、入ってからやることは少なくありません。価格や企画にまで手が及びます。

「一度決めたら変えられない」。 変えられます。施策の手順は共通しているので、移るときに一から学び直すことにはなりません。変わるのは、相手の決め方に合わせる部分だけです。

「どちらかを選ばないと専門性がつかない」。 逆の見方もできます。両方を経験した人は、片方しか知らない人には出せない比較の視点を持てます。ただし、最初から両方を狙うと軸が定まらないので、順番として片方から入るのが現実的です。

この章のまとめ

誤解の多くは、遅いことを地味だと読み替えているところから来ています。

12ECとBtoBのどちらでもない道は、Webマーケターにありますか?

あります。二択だと思い込むと、選択肢を落とします。

「どちらでもない仕事もあるんですか」二択だと思い込むと、選択肢を落とします「どちらでもない仕事もあるんですか」二択だと思い込むと、選択肢を落とします若葉さん求人を見ていると、どちらとも言えない会社があります。こういう場合はどう考えればいいでしょうか。鈴木さん実際に混ざっている仕事は多いんですよ。会社向けに売っているのに通販の仕組みを持っていたり、個人向けの品物を小売店を通して売っていたり。月ごとに使ってもらう形の商いだと、続けてもらう仕事が中心になるので、この分け方より別の軸が効いてきます。高梨課長どちらを選ぶか、ではなく、いまどちら寄りの案件を持つか、ということですね。
「どちらでもない仕事もあるんですか」 — 二択だと思い込むと、選択肢を落とします

会社向けに売っている会社が、通販の仕組みを持っていることがあります。事務用品や部品の分野に多い形です。この場合、両方の性質が同じ仕事の中に出てきます。

個人向けの商品でも、代理店や小売店を通して売る場合があります。買うのは会社なので、BtoB寄りの動きが入ります。

サービスを月ごとに使ってもらう形の商売では、個人向けでも会社向けでも、続けてもらうための仕事が中心になります。この場合、EC寄りとBtoB寄りの区別より、続けてもらう仕事かどうかのほうが効いてきます。

つまり、「どちらを選ぶか」ではなく「いまはどちら寄りの案件を持つか」と考えるほうが実務に近くなります。

もう一つの見方として、BtoBとBtoCで求められるスキルの違いは『BtoBとBtoC、Webマーケターに求められるスキルの違い』でも扱っています。

この章のまとめ

二択ではありません。両方の性質が混ざる仕事が実際にあります。決め打ちしないでください。

13未経験の転職では、ECとBtoBのどちらから入るんですか?

最後に、入り口の話をします。未経験の段階では、選べる幅が思ったより狭いというのが実際のところです。

入る前に決めきる必要はありません経験してから寄せていくほうが、動き出しは早くなります入る前に決めきる必要はありません経験してから寄せていくほうが、動き出しは早くなります先に領域を決めてから探す応募できる先が絞られる募集の出方に左右される決めた根拠が経験の外にある動き出すまでが長くなりやすい受けられる場所から始める先に実務が手に入る合う合わないを体で確かめられる寄せ直す材料が増える迷ったら待てるかどうかだけで決める
入る前に決めきる必要はありません — 経験してから寄せていくほうが、動き出しは早くなります

理由は単純で、募集の数が自分の希望どおりに並んでいるわけではないからです。この時期は、領域を先に決めるより、受けられる場所から入って、経験してから寄せていくほうが動きが早くなります。

自社の転職支援では、2024年から2025年に就職・転職の報告があった卒業生の内定先に、事業会社の実例がありました。建築系のマーケティング会社、不動産会社のマーケティング担当、製造業の会社をつなぐサイト、業務用のサービスを提供する会社などです(出典: WEBMARKS社内実績データ)。報告があった人だけを数えたもので、卒業生の全体像ではありません。

この内訳を見る限り、会社向けの色が強い業種での内定は複数確認できます。 一方で、通販事業者そのものへの内定は、この集計の中では確認できませんでした。 これは「通販の領域に入れない」という意味ではなく、この集計の範囲では見えないという意味です。

そのうえで、入り口の選び方を書いておきます。受けられる募集が複数あるなら、3つの軸のうち「待てるか」で選んでください。 ここが合っていないと、続けるのが苦しくなります。残りの2つは、働きながら調整できます。

進路そのものの選び方は『Webマーケターの進路、副業・転職・独立の選び方を3軸で決める』で扱っています。応募先の選び方は『Webマーケターの転職先、事業会社・代理店・支援会社で選ぶ』にあります。

この章のまとめ

未経験の段階では選べる幅が狭いのが実際です。迷ったら「待てるか」の軸だけで決めてください。

14よくある質問

EC特化とBtoB特化、どちらが単価は高いですか

一律にどちらが高いとは言えません。単価の作られ方が違います。EC寄りは短い期間の成果に応じた形、BtoB寄りは契約が続くことによる積み上げの形になりやすい、という違いです。

未経験からでもEC特化・BtoB特化を選べますか

選べますが、未経験の段階では募集の数のほうが先に効きます。 受けられる場所から始めて、経験してから寄せていく進め方が現実的です。

EC特化とBtoB特化、両方の経験を積むことはできますか

できます。特に副業の初期は、両方の案件を持ちながら得意なほうを見極める人もいます。ただし、最初から両方を狙うと軸が定まらないので、順番としては片方から入るほうが進みます。

業界経験がまったくない場合、どう選べばいいですか

3つの軸のうち「成果が返るまでの長さに耐えられるか」で選んでください。ここが合っていないと続けるのが苦しくなります。残りの2つは働きながら調整できます。

EC特化からBtoB特化へ、あるいはその逆へ移れますか

移れます。施策の手順は共通しているので、一から学び直すことにはなりません。変わるのは、相手の決め方に合わせる部分だけです。移る時期には、その領域での実務理解を改めて示す必要があります。

EC特化・BtoB特化以外の領域を選ぶこともできますか

できます。この記事では代表的な二つを扱っていますが、両方の性質が混ざる仕事も実際にあります。職種そのものの地図は『Webマーケターの職種地図、4つの役割で見分ける』で扱っています。

この分け方は、SEOや広告といったスキルの分け方とどう違いますか

SEOや広告は手法の分類です。EC寄り・BtoB寄りは、その手法を誰に対して使うかの分類です。組み合わせて考えるものなので、どちらか一方だけでは仕事の形が決まりません。

インハウスと代理店では、どちらの領域を選びやすいですか

どちらの働き方でも、両方の領域の募集があります。事業会社では扱う商品が決まっているので専門性が深まりやすく、支援会社では複数の業種に関わるぶん比較の視点が身につきやすい傾向があります。詳しくは『インハウスとエージェンシー、Webマーケターが働く環境の違い』で扱っています。

15まとめ|今日やる3つのこと

二つの領域は、商品ではなく買い手の決め方で分かれています。ここを起点にすると、残りの違いは自分で説明できるようになります。

今日この順でやります

  1. 気になっている求人を1つ開き、買うのが個人か会社かを確かめる

    ここで領域が決まります

  2. 「成果が返るまで待てるか」に、自分の言葉で答える

    3つの軸のうち、これだけは先に決めます

  3. 前職で相手の困りごとを言葉にした場面を1つ書き出す

    どちらの領域でも持ち込める材料になります

AI検索では、こう聞かれています

  • EC特化とBtoB特化は何が違いますか?

    「ECとBtoB、Webマーケターの職種選びはどこで分かれるんですか?」の章で説明しています

  • 未経験ならどちらから入るのが現実的ですか?

    「未経験の転職では、ECとBtoBのどちらから入るんですか?」の章で説明しています

  • 途中でもう片方へ移ることはできますか?

    「ECとBtoBの職種選びで、Webマーケターがよくする誤解は何ですか?」の章で説明しています

次に読むなら、この記事です